2021年05月29日

40代と50代、これから10年をどう生きる!?|2021年5月の対談

東京で、強く、美しく、賢く働く40代以降の人のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフル・フォーティーズ)」。5月の対談テーマは「これから10年をどう生きるか」。40代半ばになった守山菜穂子と50代半ばになった池田美樹が、それぞれの40代と50代について語り合いました。

※この記事は2021年5月5日に行ったオンラインイベントの抄録です。

左・編集長 池田美樹 Twitter
右・プロデューサー 守山菜穂子 Twitter


菜穂子:「40’s」オンラインイベント、始まりました。まずは最近の個人的トピックスから。

美樹: ではまず私から。私は今、54歳なんですけど、最近すごく衝撃的な発見をしたんです。

菜穂子: なんでしょう…!?

美樹: 自分の写真をしみじみ見ていたら「うわ~! 私、手が老けてる~!」と気づいちゃって。

菜穂子: あはは。さては、写真の手の部分、拡大して見ちゃったでしょ。

美樹: 思わず拡大して見ちゃいました。他の人は、わざわざ人の手なんて気にしないと思うんだけど。こういうのって自分が気にするかどうかじゃないですか(笑)

菜穂子: みんなそうやって、目尻のシワとか、手のシワを実物より拡大して「ギャー!」って言ってますね(笑) 誰もそんなに大きく見ないから大丈夫です!

美樹: 確かに。そういえば老眼鏡をかけて写真に写ると、目尻のシワは目立たないのよね。

菜穂子: それはちょっとしたライフハックかも!

美樹: それでね、「手がすごく老けてるな」「ヤバイな、手に年齢が出るって本当だな」と思って。今まで私は「ユースキン」の手頃なハンドクリームを愛用していたんだけど、いいハンドクリームを買おうと思って、検索して。「Jurlique(ジュリーク)」というブランドの「ジュリーク ハンドクリーム フォー ラディアンス」というアンチエイジング用の2021年限定ハンドクリームを、なんと5,000円近く出して買ってしまいました。

菜穂子: おお~、高いやつ。

美樹: 「これまでスキンケア商品のみに配合していた、4つの植物から作るオリジナルエキスを、今回初めてハンドクリームに配合しました」と書いてあって、ついね。

菜穂子: 一種の自己投資ですね(笑)。そういう話題だと、私は46歳なのですが、去年の12月から歯の矯正を始めました。以前から歯並びがちょっと気になっていたんだけど、Zoomで毎日毎日、自分の顔をアップで見ることになって、やっぱり納得いかなくなって。「クリアブラケット」というもので、透明なシリコンの歯型を、自分の歯にパコっとはめるだけなんです。簡単。

美樹: 今もはめてるんですか?

菜穂子: 今は取ってます。ごはんを食べるときと、お茶を飲むとき、あと私だったらこういうセミナーなど人前で喋るときだけは取ってるんですけど。普段、マスクの中でははめていますし、あとは夜寝るときもずっとしてます。

美樹: そうか、マスクになったから、やりやすくなりましたね。

菜穂子: そうなんですよ。外で人と会うときはマスクなので、ほぼわからないと思い、ずっとしています。12月に開始して5カ月くらい経ったんですけど、だいぶ歯が動いてきて、揃う感じになってきたので嬉しいですね。気になっている人にはすごくおすすめです。

美樹: ちなみに、いくらくらいかかるんですか?

菜穂子: 歯科で、保険なしで40万円くらいでした。期間は人によりますが、私は6か月間の予定。「インビザライン」という商品名ですね。昔、ワイヤーで矯正した人に聞いたらすごく安くなったねとのこと。ワイヤー矯正は100万、150万かかったという人もいましたから。

 

自分が古びていると認識することから
50代の生き直しが始まる

菜穂子: では今日の本題に入っていきましょう。今日のテーマは「これから10年をどう生きるか」という、壮大なものです。

美樹: ちょっと堅いテーマをつけてしまいましたね(笑)。私は今年54歳になりまして、菜穂子さんが46歳。ちょうど2人とも40代の半ば、50代の半ばくらいになったわけです。

菜穂子: そうですね!

美樹: 40代を半分生きてきた菜穂子さんと、50代を半分くらい生きた私とで、40代どうだった? 50代どうだった? ということを振り返りながら、今後の10年を考えるのにちょうどいいタイミングなんじゃないかなと思いまして。

菜穂子: 本当にそうですね。

美樹: 私は50代の半ばにして、ようやく40代の10年間を振り返ることができるようになりました。「もう自分は50代なんだ」という自覚が、4年目にしてようやくできた感じです。

菜穂子: 「自覚」かあ。ではぜひお聞かせください。

美樹: はい。まずね、40代を振り返ったときに、「40代までの私」と「50代になってからの私」って、明らかに違うんですよ。40代までは、キャリアも生活も、それまでの積み上げで生きて来た感じがするんだけど。50代になってみたら、自分が積み上げてきた土台が「すごく古びていってるな」と。そういう事実にハッと気が付いてしまいました。

菜穂子: なるほど…。

美樹: キャリアでいえば、始まりはもう30年以上前になっちゃうわけじゃないですか。そうすると、もしかしたら私の常識が「30年前の常識」なわけですよね。都度、アップデートしてきたつもりですけど、積み重ねていく上で、もしかしたら昔の常識がこびりついたまま、自分の中のどこかに取れないまま、古びていってるんじゃないかなと。そういうことを特に感じ始めたのが、50代ですね。

菜穂子: 「古びていってるな」と感じる瞬間って、例えばどういうときなんですか。

美樹: 何か問題が起きたり、解決しなくちゃならない課題があったとして、今の若い人たちは、私が考えるのとは全く違う方法で解決するシーンを見たりするときですね。

菜穂子: ああ、なるほど~。

美樹: 特に今の20代、30代くらいにはすごくソーシャルグッドな考え方をする方々も多いので。私たちが若いときには考えられなかったような方法で、社会的に意義のあるかたちで解決していくシーンを、数多く目にしたり、経験したりするようになりました。「私にはパッとこの方法は思い付かなかったな」と感じたときに、私ってやっぱり古びてるんじゃないかなと思うのね。

菜穂子: うんうん。

美樹: でも「古びてるな」と気が付くところが、まず第一歩だと思っています。今、人生100年時代ですから、あと50年生きるとしますよね。そうしたら、今からまた積み上げていけば、今の新しい常識が積み上がっていくなと。

菜穂子: なるほどー。今聞いていて、思ったことなんですけど。まず美樹さんのすごいところは、「古びていってる感じがする」と言えちゃうところですよ。ほとんどの人は、それをひた隠しにすると思う。だけどそれを軽やかに、こうやって大勢の人が聞いているところで、ポンと言ってくれるのは刺激的ですねえ。あと、また1から積み上げようとする勇気もすごくて。ほとんどの人は、積み上げてきたものにしがみつくことが多いのかなと思います。

美樹: そうかな? 私は新しいことをするのが大好きで雑誌の世界に入って、今までやってきたという自負がありますから。今からでも「全く新しいこと」を始めたいという思いもあるんですね。もちろん、これまで自分が積み上げてきた「メディアの中のキャリア」を、またゼロから積み上げていきたいという気持ちもあり、両方の「新しいこと」ですね」

菜穂子: 新しいことが好きなんですね! あとはこういう話題のときに、「今までのものを捨てなきゃいけないんですか?」と言いたい人は、すごく多いと思います。やっぱり「捨てるのが怖い」「せっかく積み上げてきたのに」と思うのが一般的かもしれない。その辺はどう折り合いをつけるんですか。

美樹: そうだなあ、「自分で認める」ところから始めるかな。「こういう発想は私にはできなかったな。この若い人の発想すごいな」と思ったら、今度は自分もそういう発想ができるように取り入れてみる。自分の常識は外しちゃうというところでしょうかね。

菜穂子: なるほど。ではちょっと意地悪な質問かもしれないけど、若い人への「嫉妬」ってないんですか。

美樹: 嫉妬はないですね〜。私、50歳になった2017年から大学院の修士課程に行ったんですけど、同じ課程に学部を卒業してきた20代前半の若者たちがいっぱいいるんですね。そうすると「やっぱりかなわんわ」と思うわけ。彼らの柔軟さ、新しいものをグイグイ取り入れていくスポンジみたいな能力に、やっぱりすごいな、かっこいいなとすごく思ったんです。

菜穂子: へえ〜。いいですね。

美樹: 人間って、知らないものを恐れたり怖がったり、嫌悪したりするという性質があるんですけど、私は大学院で、年齢の上下抜きに、本当に今の20代とか30代の人たちとがっつり触れあったことで、素直に「すごいな」と思えるようになりました。

菜穂子: 会社だと、概ね若い人のポジションが下、年配者は上というピラミッド構造になっているけど。大学院という完全にフラットで、研究の腕一本で勝負というところにパッと入ったのごよかったのかもしれないですね。

美樹: そうね、年齢は関係なく、完全にフラットな立場の仲間でしたから。

菜穂子: 20代の部下が自分にいて、そういうふうに思えるかどうかって微妙じゃないですか(笑)

美樹: 会社の先輩・後輩とか、部下・上司とかいう関係とは確かにちょっと違うかもしれないね!

菜穂子: 会社だと、若い人が何か斬新なことを言っても「生意気な!」みたいに片付けるとか。そういうことって起きてくると思うんですよ。でも研究の場だと、斬新なことを言ったら尊敬するということが、フラットだからこそ起こり得るのかなと思いましたね。

美樹: 皆さんの場合は、例えば新しい趣味などの場で、そういうことが経験できると思うんですよね。新しくダンスやギターを始めるとか、そういうことでいいんです。そうすると「自分より年下だけどベテラン」という人が、多分いろんなところにいて。そこでフラットな人間関係を築くことが、自分のキャリアにとってもいい気づきになるんじゃないかと思います。

菜穂子: ポイントは、尊敬できる若い人と積極的につながることですね。

美樹: それはあると思う。それと、私のキーワードがもうひとつあって。8年くらい前に『人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ』という本を読んだことがあるんだけど、その時、「絶対にこんな気分になんかなれない」と思ったんです。でも今、「人生を半分降りる」という意味がすごくわかってきた。

菜穂子: へえ、どんな感覚なんでしょう。

美樹: 自分が今、両足で立っているとしたら、土台の砂がさらさらと音を立てて崩れようとしている気がするわけ。それで、崩れてしまう前に片方の足を降ろして、100歳まで生きるための次のステップに乗せる、と。自分ではそんなふうに解釈しています。

菜穂子: なるほど。じゃあ、今新たに始めている次の一歩を聞いてもいいですか。

美樹: はい。去年、放送大学に編入して、心理学を新たにゼロから学び始めました! それで、国家資格の「公認心理師」の取得を目指しているんです。60代以降は、対人援助の仕事をしていきたいなという夢を持っています。

菜穂子: 美樹さんはもともと、ファッション&カルチャー分野の編集者で、ファッションやコスメ、タウン情報など「消費」の記事をずっと書いてきたと思うんですけど。全く違う「次の半分」を始めてるんですね。

美樹: そうですね。それが50数年生きてきての、私の最新の結論ということかな。


40代後半、自然や手作業を愛しながら
人間関係をより丁寧に作っていきたい

美樹: 菜穂子さんは、40代半ばになってみてどうですか?

菜穂子: 私は40代をどう生きるかということが知りたくて、自分が39歳のときにこの「Beautiful 40’s(ビューティフル・フォーティーズ)」を始めたんです。そこから6年経ちますが、この間、いろんな人たちと、40代は何に時間を使うべきか、何を大事にするべきか、それこそファッションのことから親の介護のことまで、ずっと話してきたんです。それに本当に救われてるんですよね。最初はピンとこなかった話が、今はピンときたりとか……。例えば、さっきの「歯」の話、3年くらい前に40’sメンバーで座談会していますよね。

美樹: 歯の話、しましたね!(記事はこちら

菜穂子: そのとき私、歯には全くお金もかけてなかったし、歯ブラシも歯磨き粉も、そのへんのドラッグストアで買った適当なやつを使っていたんですよ。でも私より年上のふたりが「歯は大事よ!」ってすごく言ってたんですよね。それで意識が変わりました。歯は40代半ばくらいからトラブルになり始める人が多いと思うので、そういう実感をもって事前にお話を聞いておいてよかったなと思います。もう今はね、若い世代に全力で言いたいですね、「歯は大事よ!」って(笑)

美樹: 良い刺激があったんですね(笑)

菜穂子: 今は「更年期障害」についての取材をしているんですけど、これも私が準備しておきたいテーマなんです。例えば女性だと、生理が終わる時期の前後を更年期といいますが、同世代の男性も更年期障害があるそうなんですよね。それをどういうふうに受け入れるのかと。取材と称して自分が聞きたい話を聞いて、本当に「40’s」のおかげで、スジが1本通った感じがします。

美樹: なるほど。

菜穂子: 迷いがなくなっています。もし同じように迷っている人がいたら、少しでも指針になるようにしていきたいなというのが、この活動をやっている意味ですね。

美樹: もともとは、30代の人たちから「40歳になるのが怖い」と声が出ていると、菜穂子さんが聞いてきたことから始めた活動なんですよね。

菜穂子: そうなんです! そのとき自分も30代だったんですよ。もっと若い30歳過ぎくらいの子たちが、「40代とかになるのが不安でしょうがないです」と言っていました。でも、私がいたマスコミ業界、ファッション雑誌の世界には、素敵なかっこいいお姉さんたちがいっぱいいたんですよ。

美樹: 確かに、昔からたくさんいらっしゃいましたよね。

菜穂子: 40代、50代、60代のかっこいいお姉さまたちがいっぱいいて。「え? 私、40代になるの、そんなに怖くないぞ」と思ったんです。それで、そのお姉さんたちの話を改めて聞きたいなと思ったのが、そもそものきっかけですね。でも、結果的に自分が学べたという感じです。

美樹: うんうん。では何か最近、気になっているキーワードはありますか?

菜穂子: 最近、特にコロナ禍を経て、緑や自然のものを自分の生活に取り入れたいなという気持ちが、すごく強くなりましたね。世の中がそういうふうに動いているのか、年齢的なものなのかはちょっとわからないんですけど。そう思っていたら「バイオフィリア」という造語を聞きました。生命や生きものについて特に愛好する人を「バイオフィリア」と呼ぶそうで、そういうジャンルが誕生しているんですよね。私はマーケティングの仕事をしているので、マーケティング業界としてもすごく注目のキーワードだなと思っています。例えばアパレルとかレストランでも、最近緑いっぱいの店が増えてると思いませんか?

美樹: うん、確かにそうですね。

菜穂子: 昔はちょっと鉢植えが飾ってあるくらいだったのが、今はジャングルみたいなカフェやレストラン、ショップなどが、どんどんオープンしてますよね。硬いガラスと鉄筋コンクリートのビルでも、エントランスに庭園のように植物をいっぱい入れているオフィスも増えて来ました。人工素材のものが増えすぎたから、その揺り戻しでみんなが自然が欲しくなってるのかな、と感じています。

美樹: それはコロナ禍だからなんでしょうか。それとも世界的な流れなのか、あるいは、人間がある程度の年齢になるとそういう気持ちになるのか、いろんな要因があると思うんですけど、何だと思いますか?

菜穂子: 世界全体がそっちに動いているという印象ですね。私が「バイオフィリア」という言葉を最初に聞いたのはコロナ禍の数年前で、「面白いな、これは今トレンドとしてきてるな」という感覚がありました。同時に聞いたのが、「自然欠乏症」とか「自然欠乏症候群」という言葉です。特に、土からすごく遠い窓も開かない高層マンションに住んでいたりすると、自然欠乏症になってしまうという話を耳にするようになって。SDGsなどの話とも絡まってくると思うんですけど、コロナでさらに加速したと思っています。

美樹: なるほど。

菜穂子: 私自身も、土仕事とか自然に触れる時間を増やしていきたいな思っていますし、今は工業製品に囲まれて生きていますが、そうじゃないものを自分の生活の中に増やしていきたいという感覚はあります。「ここから10年をどう生きるか」という意味では、ちょっとずつ工業製品を減らして、自然のものや、手づくりのものを生活に増やしていきたいと思っています。

美樹: うんうん。では世界的な流れとはまた別に、40代後半を個人としてどう生きていきたいというビジョンはありますか?

菜穂子: 「人間関係をより丁寧に作っていきたいな」という思いが、すごくありますね。30代、40代のときは、仕事の「量」をこなしていきたいというのがあって。広げて広げて、たくさんの人に会って、SNSブームもあったので、フォロワーの数とかいいねの数をずっと気にしてきたと思うんです。でもここにきて「数じゃないな」という、すごく当たり前のことに、今しみじみ気付いてる感じです。

美樹: きっかけはあったんですか。

菜穂子: これは、きっかけは去年のコロナ禍ですね。近所に住んでいる仲のいい友達が2人いるんですけど、外に出られない、外食できないときも、その子たちと何度も一緒に会って、お互いの家に行き合って、すごく親密に過ごしたんです。今まで何度も、表参道や銀座でおいしいディナーを食べに行ってたけれど、そういうときにはわからなかった、地元で会う、お互いの家に招き合う、一緒にご飯を作って食べることの安心感に気づきましたね。こういう丁寧な人間関係の作り方を、40代前半までは雑にしてたかもな〜、と思いました。

美樹: なるほどー。

菜穂子: 「多くの人と付き合うこと」に時間を使っていたので、これからは、丁寧な人間関係を作っていきたいな、と思っています。家族や、すごく仲のいい友達に、時間を優先的に使いたいという感じですね。


人生100年時代を生きていくための
健康維持の秘訣は?


美樹: ここから参加者による質問コーナーです。

参加者: こんばんは。お2人の生の声と、生の表情を伺えて、とても幸せな気分です。

美樹・菜穂子: ありがとうございます!

参加者: 人生100年時代と言われる昨今ですけれど、これから私も学び直しをして、新しい職業にも挑戦したいと思って頑張っています。それにはやっぱり健康が重要になってくると思うんですが、お2人が何か「長生き」のために気をつけている、ヘルスケアがあれば教えてください。

美樹: まさに、健康は100年生きるためにすごく大事な問題ですよね。私はこのコロナ禍で、外に出て歩くことが、ものすごく大事だなということを実感しています。健康法には、何を食べる、何を飲む、どういう運動をするといったことがあると思うんですけど、それよりも何よりも、外に出てお日さまを浴びて歩くというのが、本当に基本的に大事なことだなと思っています。マインドフルネスのため、意図的に「歩く」ということを私はやっていきたいですね。

参加者: ありがとうございます。日光のパワーはすごいですよね、本当に。

菜穂子: 私もご質問者と同じように、健康について何をしたらいいんだろう? と思っている段階です。今は筋トレを週に1回やっているくらいですけど、たいしたことはできていないので、何も語れないんですよ。

でも、ひとつ気づいていることがあって。私は「40’s」の活動と別に、いろんな障がいや難病の人たちが集うNPOで9年くらいボランティアをしているんですね。そこで出会った女性たちが、「私、車椅子ですけど健康です」とか言うんですよ。「心も健康だし、ご飯も食べられてるし、排泄もできてるし、だから健康」って。あとは若くして進行性の難病にかかった人が「とにかく1日1日を全力で生きる」ということを教えてくれたりするんですね。

だから、逆説的なんですけど「健康じゃないから不幸せ」でもないなと思います。最後はやっぱり「幸せに生きていこう」という「自分の意思」なのかなと。「機能はどんどん落ちていくけど、残りの機能でも今日を楽しく生きると」いう意思が、すごく重要なんだなと思っています。もちろん、健康であるに越したことはないし、自由度も増すとは思うんですけど、明日、事故にあって歩けなくなるかもしれないから。そこの「覚悟」を持っておこうかなという感じですね。どんな順番で来るかわからないけど、体の衰えはいずれ来るもの。恐れがないと言ったら嘘だけど、恐れすぎないようにしています。

40代、怖れることも
間に合わないと思う必要もない

美樹: 今日は私たちの先輩として、「Beautiful 40’s」の理事でもある干場弓子さんに来ていただいています。

菜穂子: 弓子さんは先輩の60代代表として語るわよ、ということでご参画いただいていまして。「Sensual 60’s(センシュアル・シクスティーズ)」というテーマで、記事を書いてくださってます。

弓子: 私、今日聞いていて質問があったんですけど。参加者の皆さんも含めて「40歳になるのがなぜそんなに不安なのかな?」と。私自身は、たまたま高齢出産で38歳で子どもを産んだものだから、40代って記憶にないんですよ。

美樹: そうなんですね!

弓子: 子育ては至福のときであると同時に、一生懸命なときでもあり、もちろん会社もあって。それで、ちょうど50歳になった頃に中学受験が終わり、そして勝間和代さんと出会い……よし、これからディスカヴァー(=株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン、東京都千代田区に本社を置く日本の出版社)も、自分も恥ずかしがらないで前に出て、会社を戦略的に売り出しておこうと思って。だからディスカヴァーとか私の名前がメディアに出るようになったのって、調べてみたら私が50歳になってからなんですよ。

菜穂子: おお~! なるほど~。

弓子: だから、全然怖れることはない。遅すぎるとか、間に合わないと思う必要は全然ないですよ! ということが言いたかったんです。それ以前に、なんでそんなに40代になるのが不安なの? 私、不安に思ったことがなかったので。

菜穂子: 若い子たちには「ロールモデルがない」と言われました。40代になると「おっかさん」「おばちゃん」みたいになるか、「美魔女」みたいな若づくりのお姉さんになっていくかどっちかしかなくて、普通に自然に、楽しそうに幸せそうに、気持ちよく働いている人というのがあまり周りにいないと言ってました。

弓子: 私の頃なんてもっといなかったんじゃないかな(笑)

菜穂子: それで「いやいや、いるよ!」と言ったら、ITとか電機メーカーといった、いわゆる「男社会」の会社に勤めている人はやっぱり「いない、いない」って言ってましたね。

弓子: 「ああいう風になるのが怖い」って、やっぱり理解できないんだけど。結局、自分のアイデンティティを「若さ」に依存してるからかなと思います。あと更年期障害もそうなんだけど「恥ずかしい」というのも初めて聞いたんです。私、皆さんよりずっと年上なのに。「生理がなくなると女じゃなくなる」みたいな、そんな古い考えを私だって持っていなかったのに、今もそうなのかと驚きました。同時に、結局「女である」ということ、産める性であるということ、さらに言えば、男性からの性の対象であるということにアイデンティティを置いてるから不安なんじゃないの?

菜穂子: なーるほどー。やっぱり、弓子さんが30年早いっていうお話ですね!

弓子: 私自身も、年を取ること、それ意外にも「漠然とした不安」というはやっぱりあるわけですよ。そういうときって、「漠然としてる」から怖いのであって、何が怖いのかなと分析して、理由を自分の中で見つけると、けっこう楽になるかなと思います。

菜穂子: 明らかにするということですよね。本当にそうだと思います。この「40’s」も、明らかにすることのお役に立ったらいいなと思います。

美樹: 弓子さん、参加者のみなさん、今日は本当にありがとうございました。


ご参加いただいたいたみなさま、ありがとうございました!


関連記事