2020年09月30日

「私の信念」をつくる|2020年9月の座談会

東京で、強く、美しく、賢く働く40代以降の人のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」。9月の座談会は「私の信念」。迷いがある日々から脱却して、自分の大切にしていることを明確化したいと思う人は多いはず。人生の後半を考える編集長の池田美樹から、素朴な疑問が寄せられたのが話題のきっかけでした。

左上・編集長 池田美樹 twitter
右上・プロデューサー 守山菜穂子 twitter
下・プロデューサー 福光みなみ

 

私が今後の人生で、
大事にしていきたいことってなんだろう

美樹: 最近、自分の「信念」というか、大事にしていることについて、よく考えているんだ。2人は、そういうの考えることある?

みなみ: 「信念」かあ……。人生は選択の連続だから、選択するときの基準が、ある程度あったほうが「生きやすい」気はするな。信念ってそういうものだよね。

菜穂子: うんうん。美樹さんは、その話題を話したいきっかけとかあったの?

美樹: ここのところ、仕事の契約更改があったりとか、実家でだんだん老いていく親を見たりしているうちに、自分の人生の後半についてしみじみ考えるようになってきて。

菜穂子: なるほど、変化の時なんですね。今年は社会的にもいろいろあったから、じんわり心に影響を受けてるかも。

美樹: うん、それで「人生には限りがあるんだな」「私が今後の人生で、大事にしていきたいことってなんだろう」と、考える時間が増えたように思うのよね。

みなみ: 大事にしたいことか。

美樹: もう今後の人生においては「できなくなっていくこと」が多い、と思うと、特にね。身体的にも、精神的にも、物質的にも。

みなみ: え? いやいや、できるできる。身体的に若くはならないけど、運動して筋肉つけるとかは、いくつになってもできる!

美樹: うーん、前も私はそう考えていたけど、今は、「できなくなっていくなあ」っていうことに意識が向いている感じ。そうか私、ちょっと今、弱ってるかも?

 

信念は「自信」だから
元気なときに作ったほうがいい

菜穂子: 「信念」について私の話をすると、2014年に独立したときに自分で「私の信条(My Principle)」という文章を一度書いているんです。その後、2017年に法人化したときに改訂しているという記録が残ってました。誰にも見せていないけど。

美樹: えーどんなの?

菜穂子: 起業して気合入ってた時だから、自分の人生において「積極的にやること」と「絶対やらないこと」をビシッと書いたの。「自分の取り扱いマニュアル」みたいになっていいですよ。新しい事態が起きたときにも、判断が早くなります。

美樹: なるほどなあ。やらないこと、か。

みなみ: 戦略づくりで大事なことは「やらないことを決める」ですからね。

美樹: 今後の人生を生きていくに当たって、信念を見直しはしたいんだけど……。具体的に、どうやって決めていくといいだろう。明文化するコツとかってあるの? 

菜穂子: 例えば「私は生涯、感性を磨き続けます」「私は、無駄なものを持ちません」みたいなことが書いてある。

美樹: ううう、なんだか立派すぎて、近づけない……!

菜穂子: あっ、そういう感じか! ごめんごめん。要は、自分が大事にしていることを、整理して書き出していけばいいだけなんだけどね。

美樹: そうかあ。私はこれまでの信念って、たぶん空気のように自分の中にあって、明文化することすら難しい感じがする。

菜穂子: それはつまり、これまでの信念が使えなくなってきている、変わってきているということでは?

美樹: そうかも。「今後の人生、短い!」「もう何もできないかも」 って、つい思っちゃうときもある。

菜穂子: そういうフェーズですね。了解です。

みなみ: 信念を書き切るなら、元気なときに作ったほうがいいよね。信念はある意味「自信」だから、自信が揺らいでる弱ってるときは信念はつくれないかも。

菜穂子: うん、辞書にも「信念:心に固くきめ,信じて疑わない心」と書いてある。信念とは、「ぶれたくない強い思い」があるときに、それを明文化するものなんですね。

 

まずは移ろいゆく
自分の心を棚卸ししてみる 

みなみ: いきなり「信念」は大上段だから、今の美樹さんなら、カテゴリを分けて書いて、「大事にしていること」を書いてみるのがいいかも! 「仕事」「生活」「健康」とかね。

美樹: なるほど、まずは自分の棚卸しをしてみるのはよさそう。日々忙しくしていると、なかなかやらないもんね。

みなみ: 節目節目にやるといいですよ。年初とか、誕生日とか。私は仕事だと、週に1回の棚卸し時間を作っているんですけど。ホントは自分のことも、もっと頻繁にやったほうがいいかもね。

菜穂子: みなみさんは、年初にも「今年の目標」みたいなの書き出していたもんねー。そういうとこマメよね。

美樹: そうか。やっぱりまずは、棚卸し的な作業からだな。こういうときは、PCやスマホじゃなくて、やっぱり手で書くのがいいみたい。 心理学で「ジャーナリング」というのがあって、「書く瞑想」と言われているんだよね。

菜穂子: 「ジャーナリング」って言葉、初めて聞きました。

みなみ: あ、私やったことあるな、一度。「ずっとやりたことを、やりなさい。」という本を人に勧められて、そのなかに書いてある「毎日朝3ページ、なんでもいいからノートに書く」というのをしばらくやったよ。

「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」
ジュリア キャメロン 著、サンマーク出版

 

菜穂子: その本なら、私も読んだことがある。これ、「毎日3ページ、必ず」っていうルールなんですよね。リズムを作りたいタイプの人とか、今、混乱している人にはすごくいいと思う。何ヶ月か続けたら、自分に対しての客観性が出てくる。

みなみ: うん。そのノート、後で見返したくないぐらい正直に書いたところは「黒歴史だ」と思ってテープで貼って読めなくしてある(笑)

菜穂子: デトックスしたんだね(笑)。私はドミニック・ローホーの「ゆたかな人生が始まる シンプルリスト」っていう本が好きです。本の中に質問が出てくるので、それに答えていくだけで、自分の「あり方」が浮かび上がって、楽しいの。

みなみ: へえ〜! そういう本って結構あるんだね。

菜穂子: 本を読んでいくと「私が絶対にしたくないことと、その理由を書き出してみよう」とか、「自分が好きな場所と、その理由を書いてみよう」とかね。「自分が好きな味、好きなにおいは?」なんていう質問もある。

「ゆたかな人生が始まる シンプルリスト」
ドミニック・ローホー  著
講談社+α文庫

美樹: そうか、私は今、弱っているから、いきなり「信念!」とか思わず、まずは自分の棚卸しから。「なんでもいいから書く」から始めるのがいいのね。

みなみ: あと、弱ってるときは、だまされたと思って、人のアドバイスを素直にやってみるのオススメです。さっきの本やジャーナリングもそうだけど、私は自己流のアレンジをくわえず、素直に従ってます。

 

弱ってるときは自分を甘やかし
まずはたっぷりぬくぬくして

みなみ: でもさ、本当に弱ってるときは、もっと自分に甘く、でいいですよ。私も、自分にアマアマだもん。疲れるとすぐ寝るし、ハーゲンダッツたべちゃう。

美樹: 自分を甘やかすのも大事なのね…! けっこう自分に厳しくしていたかも…。

菜穂子: 美樹さん、確かにそういうとこあるな。追い込み型。

みなみ: 浮上するまでは、甘やかすのいいと思います。「弱ってる自分には、甘く」、これ私の信念かも(笑)。生存戦略。

美樹: たまには猫とぬくぬくして、自分を甘やかしてみるよ〜。ハーゲンダッツも食べよう(笑)。

菜穂子: 自分が弱ってるときはぬくぬくして、とことん自分を甘やかして。少し元気になったら、自分が大事にしていることを書き出してみる。自信がついてきたら、その言葉を「信念」にまとめてさらに強く。そんな3ステップで前に進めるみたいだね。

美樹: なるほど。まずは家に引きこもっているのをそろそろやめて、素敵なノートを買いに出かけてみようかな!

写真/池田美樹


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