「ストレス」とどう付き合う?|2020年7月の座談会
東京で、強く、美しく、賢く働く40代以降の人のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」。7月の座談会テーマは「ストレスとどう付き合う?」。感染対策、在宅勤務、外出の制限……半年前には予想できなかった現実のなかを生きている私達。今まで感じたことのないストレスにどうつきあう?3人で考えてみました。
中央・編集長 池田美樹 twitter
右・プロデューサー 守山菜穂子 twitter
左・プロデューサー 福光みなみ
自粛期間を抜けて
新しい生活になった
美樹: 自粛期間が終わっても、まだまだウイルスとの戦いは続いているね。
菜穂子: マスクが暑いです〜。
美樹: 気が抜けない日々が続いている人も多いと思う。みんなはどう?
みなみ: 私は、ずっと家にいますね。会社は週1回出勤なので、出る必要がなければまだまだ家かな。
菜穂子: 私は半分ぐらい戻った感じ。家で仕事する日と、リアルな面会の日と。週1ぐらいで、友人と食事に出かけたりもしています。
みなみ: 外に行ったら行ったで、疲れるよね。
菜穂子: 楽しいんだけど、疲れるね! 帰ってきたらぐったり。
美樹: そうそう。気がつけば自分の心身に力が入っちゃってるのがわかるよね。ストレスが溜まる。
自由を制限されているストレス!
そして正解のない不安……
美樹: そもそも人は、どういう時にストレスを感じるのかな。みんなで話してみたい。
菜穂子: 人によってすごく違いそう。
美樹: 私は「自由」がなによりも大事だから、自由が制限されるとストレスだな。
菜穂子: どんな時に「自由が制限される」と感じるの?
美樹: 今回みたいに、出かけたいときに、出かけていいのかいけないのか、わからないとき。これは大きかった。
菜穂子: 世界を旅する女ですもんね。いつも思い立ってすぐに出かけてる。それができないのは確かにストレスだ。
みなみ: 逆に「家だけがオアシス」という人もいたよ。出かけたくない、このままでいたいって。
菜穂子: 出かけるストレス。真逆だね(笑)。
美樹: 家にいるのも好きなんだけどね〜。
みなみ: 周りを見ていると、自粛からの移行期で「これをやったら大丈夫」「これをやったらダメ」というのがはっきりしないのが、ストレスっぽいですね。
菜穂子: それは「判断基準がない」というストレス? 「正解がない不安」か。
美樹: あー、判断基準がないってのは確かに。
みなみ: 今回は特に、ウイルスが見えないじゃない。
菜穂子: 人は見えないもの、よく知らないものに不安を感じるから、それが忍び寄っているのはストレスが溜まるよね。
美樹: 思えば、仕事でも曖昧な内容で依頼されると、ぐぐっとストレスがアップするな(笑)
菜穂子: 未来が不明瞭なのがストレスということですね。
美樹: 人は予測をしながら生きているんだけど、その労力は少ない方がいいからね。
菜穂子: 逆に「解」を示したり、未来を明瞭化できると、人のストレスを除去できるということだ。これはビジネスに役立ちそう。
自粛疲れからの運動不足……
身体が自由にならないストレス
みなみ: 私はずっと家にいるから、身体がなまってる! 「なまってるなあ」って感じるときがストレス。
美樹: わかる〜。 この運動嫌いの私ですら、オンラインヨガのクラスを契約したよ。
みなみ: ええ! ついに!
美樹: あと、毎日ラジオ体操してる(笑)。ラジオ体操は最強。
みなみ: ラジオ体操いいですよね、私も家族でしてるよ! 肩と腰によい。「第1」だけじゃなくて、「第2」までするのおススメ。全部で6分なんだけど、本当にすっきりします。
菜穂子: 私も「腰が痛いな」とか思う時はあるけど、ストレス〜とまでは思わないな。「ストレッチしよ」って、すぐ解決策を探しちゃう。
美樹: 私は会社員時代に人間関係のストレスで、円形脱毛症ができたことがある。ストレスって、少し遅れて身体に出てくるんだなと感じた衝撃的な出来事だった。
みなみ: そ、それは深刻……。
菜穂子: 身体や心が自由にならないとき、悔しさや悲しみから、強いストレスを感じるのかもしれませんね。
美樹: いっぽう、心理学では、たとえば半身不随になるような大きな事故に遭ったとしても、幸福度が健康な人と変わらないところまで回復するという研究結果があるよ。「適応」という人間の偉大な力に感謝することもあるかもしれないね。
ストレスを感じるときってどういうとき?
自分の周りの環境をコントロールできれば解決できるかも
菜穂子: なんか2人の話を聞いてて、私、日頃ストレスってほとんど感じてないかも。
美樹: 菜穂ちゃんがストレスないのは、自分で自分の環境をコントロールできているからじゃないかな?
菜穂子: そうだね、1人暮らしで、仕事も1人会社だから。今はだいたいのことをコントロールできてるのかな。
美樹: 確かに、私も2年前にフリーランスになったんだけど、会社に行っていた時よりはストレス感じてないな。
みなみ: 自分でコントロールできないことはストレスになるよ。休校でずっと家にいる小学生。学校に行けない本人もつらいだろうけど、家で仕事の真剣なZoom会議をしてたり、集中して考えてるときに、ドアをバーン! 「ママー! 『あつ森』がアップデートだってーーー!!」って来られるとね、もう……。しょうがないよね……。
菜穂子: それは大ニュース(笑)。つまり、コントロールできないものが、ストレスなんだね。
美樹: 家族と同居しているとそうなるよね(苦笑)。
菜穂子: みんなは、ストレス感じてる瞬間に「うわー、今ストレス感じてる!!」って思うの?
みなみ: うーん「いまストレス感じた!」って思うわけじゃないなあ。怒っちゃったり、ムカついたりしたあとに、「ああ、これはストレスが原因だな……」って気づく。
菜穂子: 怒りの後に「ストレスが原因だ」って気づくんだ。怒りの原因は、不安、悲しみ、不快などと言われているから、それらがつまりストレスだ。
美樹: 私の場合は胸がふさがっちゃったような、どんよりした感情となって出てくることが多いかな……。
みなみ: ああ、わかる、どうしようもない気持ちになるときありますよね。もうそういうとき私はふとんかぶって寝る。
美樹: 「自己決定」が幸福感に強い影響を与えているという研究結果があるんです。どうにもならない状況は幸福感も下げてしまうね。
ストレスを溜めないための技術
その秘訣は?
菜穂子: 聞いていると、ストレスには2種類あるんだね。未来が不安なことから来るストレス。他に「身体や心が自由にならない」みたいな、自分に対してのストレスもあるんだね。
美樹: ほぼすべての悩みは人間関係からくるものだ、というアドラー心理学の説もあるけどね。
みなみ: 人間関係、いまは自粛で薄くなってるんじゃないの? それでも感じるストレスってなんだろ?
菜穂子: 会ったら会ったでストレス、会えなきゃ会えないでストレスよねえ。
美樹: 世界がたった1人になっても、それはそれでストレスよね。
みなみ: 人間関係はストレスもあるけど、楽しみもあるからね。人間は社会的な生き物ですから、ある程度のストレスは乗りこなしていかないとって思います。
美樹: そもそも、ストレスがほとんどないという菜穂子ちゃんは、そういう状況を時間をかけて作ってきたということかな。
菜穂子: そうですね。私、ストレス感じるのが大嫌いなのかもしれない。だからストレスを感じなくて良いように、全力で整えてきた気もします。
美樹: そのコツが聞きたい!
菜穂子: うーんとね、まず早めの対策。「これ、このまま行くとストレスになるか、も?」と気づいたぐらいの時に、速攻で対策を打ちます。危険察知能力は高い方だと思います。
美樹: なるほど。でも仕事上のストレスとかは、なかなか対策が打てない時もない?
菜穂子: 「起きちゃう」やつね。そういう時はね、解決策を考えるのを楽しむ。「うわーーすごいストレス、キターーー!」「どうやって解決しよー!」って思う。コンサルだから(笑)。
美樹: そもそも、ストレス耐性が高いんだね(笑)。あとストレッサーが逆にバネになるってわけだ。
菜穂子: そうですね。あと6、7年前に「アンガーマネジメント入門講座」の講座を受けたのも大きい。自分の「べき」に気づいて手放すという内容で、怒ったり、ムカついたり、あまりしなくなりました。
美樹: 記事で読んだことはある! 心理学的に言うと「認知を変える」ということだね。
菜穂子: そうそう。「メタ認知」っていうやつです。怒りやストレスに対して、客観性を持つ。私も本当に頭に来た時は本気で怒るけど、その時に「いま、自分がすごく大事にしている『べき』を踏みにじられたから、マジで怒ってるんだ」ってわかる。ここは怒っていいやと思えます。
美樹: 仏教の考え方にも通じるね。「今、自分は怒っている」ということを認めて、その自分を客観的に眺めるというやり方。
菜穂子: あと、コーチングを勉強したのも大きいかなあ。
美樹: それは同感! 話を聞く相手を徹底的に尊重するということが身につくもんね。
菜穂子: そうなんです! 話を聞く時に「相手を信じる」という態度とか、相手をコントロールしない方法を教わりましたね。こう振り返ってみると、ストレスを溜めない技術を色々と習得してきたんだと、改めて気づきました。
溜まったストレスはどう解消する?
おうちでできるストレス解消法
菜穂子: うーん、ずっとストレスとか怒りの話をしていて、疲れちゃったね(笑)。
美樹: ストレスの話するの、ストレスよね(笑)。みんなのリラックス方法を聞きたい!
みなみ: 私は、この間たまたま通りがかった園芸屋さんで見つけた「くちなし」を鉢で買いました。これが部屋にふんわり香って癒やされる。
美樹: くちなしのはな〜の〜♪
みなみ: はなのかお〜りが〜♪ って歌っちゃうんですよね(笑)。でもほんとにいい香り。
美樹: わかる! 私も、先日、観葉植物で「ポポラス」っていう種類のユーカリと、アイビーを部屋に置いたんだけど、部屋に小さな「自然」があるのはいいよね! ユーカリは香りもいいし。
みなみ: ポポラスかわいい! 私もユーカリ買おうと思って見てます。家にいるようになって、ユーカリに色んな種類があることを知った。自然と緑はほんといいですよね、前回記事の代々木公園も癒やされた。
菜穂子: 私も朝、コーヒーを飲みながら、窓を開けて鳥の声を聞いて、ベランダの植物に水やったり手入れするのが最近のモーニングルーティンです。
美樹: それから、自宅作業してるとついついソファに横になっちゃう。これも小さなストレス解消(笑)
みなみ: 起きてください(笑)。でもそういう私も、昼ごはん後に10分ほど寝ます。
菜穂子: 私は夜ぐっすり寝る。それたいていのことは解決すると思ってる。
みなみ: 私も睡眠かなあ、やばいと思ったらすぐ寝る。
菜穂子: 「あ、今、自分がストレスの中にいる!」と思ったら、それは心が傷ついている時だから、回復するように滋養強壮を心がけるといいんじゃないかな。
美樹: 先日、公認心理師の方にインタビューしたら、一番簡単で確実なストレス対処法は睡眠だって言ってたよ。睡眠は偉大!
みなみ: ストレスが溜まってると感じたら、適度に運動してよく眠るのが結局は一番いいのかなって気がしてきた。
美樹: 当たり前だけど、そうなのかも。ストレスの少ない生活を心がけて、新しい生活を乗り切っていきたいね。
先が見えない中でも自分なりのストレス解消法をみつけつつ、元気に夏を迎えたい! そう思う3人なのでした。