2020年06月08日

「存在感のある人」とは?|2020年6月の座談会

東京で、強く、美しく、賢く働く40代以降の人のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」。6月の座談会テーマは「『存在感のある人』とは?」。久しぶりに人と会ったとき、存在感を放つ人がいます。また、会えない間もどこか印象に残る人も。その秘密はどこにあるのでしょう。3人で考えてみました。

中央・編集長 池田美樹 twitter
右・プロデューサー 守山菜穂子 twitter
左・プロデューサー 福光みなみ

 

今、最も存在感のある日本人女性は
小池百合子さん!?

菜穂子: 東京の緊急事態宣言が解除されて、最初の日曜日です。みんなと直接会うのは2ヶ月半ぶりだね〜! 会えて嬉しいよ。

みなみ: ずっとZoomで会議やイベントをやっていたから、モニター越しに顔は見てたけど。

美樹: 「Withコロナ」の時間が始まったね。

穂子: 今日は「新しい生活様式」、ソーシャルディスタンスを意識して、東京・代々木公園の屋外テーブルにて座談会をしています。

美樹: 久しぶりに外に出て、気持ちいい! 新緑がまぶしい!

みなみ: 夏らしいリラックスウェアで。

菜穂子: さて私、今日はみんなと話したいテーマがあるんです。「存在感のある人とは、どういうことか」。

美樹: ふむふむ。それを話したい理由が、何かあったの?

菜穂子: 40代以降、シニアに至るまでの、大人の素敵さってなんだろうと考えていた時にふと湧いてきた疑問かな。「美しい」「シュッとしてカッコいい」「肌ツヤが良い」……いろんな言葉を当てていたんだけど、なんだか、どれも「見た目にこだわりすぎて」いる感じがして。

美樹: うんうん。

菜穂子: 他に「マチュア」っていう言葉は、この「40’s」でもよく使っているし、個人的にその感覚がすごく好きなんだけど、日本ではまだ言葉自体が浸透しきっていない。

美樹: 「マチュア」は何度も女性誌が流行らせようとしているけど、なかなかメジャーにならない言葉ですね。

菜穂子: 単に「賢い」とか「知的」という感じでも不足しているように思いまして。

 

菜穂子: そこで「存在感のある人」っていう表現は、どうだろう?と。わかりやすくて、40代以降、みんなが目指せる素敵な状態かなあと思いました。

美樹: 確かに、年齢・性別関係なく、職業も問わずな気がする。

菜穂子: なんなら、予算もかからなそうです(笑)

みなみ: 確かに(笑)。うん、存在感の中身、気になる。というか、迷うところですね。もう充分に大人なので、どういう存在感を作るかは、ひとえに自分の責任ですもんね。

菜穂子: ほんと、存在感って、自分でしか作れない。どうすると「存在感がある人」になれるのか、考えてみたいです!

 

美樹: 私の中で今、最も存在感のある日本人女性は「小池百合子都知事」(笑)。

みなみ: 存在感、あるよね〜。毎日、記者会見あるし。

美樹: 気になるあまり、最新の書籍『女帝 小池百合子(文藝春秋刊)』を読んだもの。

菜穂子: 売れてるみたいですね。あの方、67歳なんですよね。年齢を超越して、すごく若々しい感じはすると思った。

美樹: その年齢で、あの野心。すごいというよりすさまじいよね。

菜穂子: 「すさまじい」(笑)。 

美樹: 政治手腕はさておき、エネルギーに圧倒される。あと、結構むき出しの野心だよね。すごくうまくソフィスティケートされていると思うけど、漏れ出てる。

菜穂子: その、小池百合子さんのすさまじい存在感を因数分解したいところですね。

 

カラフルな色の洋服を着るだけで
存在感アップ!?

菜穂子: そういえば私、小池さんの講演を一度、生で聞いたことがありました。

美樹: へえ〜!

菜穂子: パーソナルブランディングの研究対象として、いろんな著名人のスピーチを聞くようにしているんです。大きいステージだったんだけど、小池さんはその日、舞台に出てきた瞬間から、存在感どかーん!って感じで、確かにすごかったわ。

みなみ: ふむふむ。

菜穂子: あと、姿勢がすごく良い人でした。5cmぐらいのヒールの靴を履いて、ピッ!と、背中とヒザを伸ばして歩いてたのが印象的だったな。4年前だから63歳だったのか。50代半ばぐらいに見えましたね。

美樹: 姿勢、大事だね〜!

菜穂子: 姿勢を保つのは筋肉が必要だから、きっと、しっかりトレーニングされてるってことなんでしょうね。

みなみ: あとさ、要所要所でおしゃれしてくるよね! オリンピックの引き継ぎ式の時の、お着物とか。

美樹: あの着物はすごかったねえ。

みなみ: あれは映(ば)えた。今回の手作りマスクもそう。

菜穂子: 普段の、きれい目な色のスーツ姿と、胸元のブローチも華があるよね。ドイツのメルケル首相とかも同じファッション傾向。大振りのアクセサリーをバーンとつけてる。演台の上で、上半身を撮影されるのを意識しているはず。

美樹: スーツのファッションといえば、英国のメイ元首相や、アメリカのライス元国務長官とかも。

菜穂子: 「カラフルな服を着る」っていうのは、存在感の秘訣な気がしてきた! 黒とベージュばっかり着てたら、どうしても存在感アップできないよね。

みなみ: カラフルな服……。ヒラリー・クリントンミシェル・オバマ……政治界隈にはカラフルで存在感のある女性多い!

美樹: 究極は、イギリス王室のエリザベス女王でしょう。

菜穂子: あの人はカラフルよねえ。いやちょっと待って! 真似できないから! 

 

美樹: やっぱりつい、見た目の話になっちゃうね(笑)

みなみ: 女性だから見た目で判断される、っていう話にはしたくないですよね。

美樹: でも男女ともにまず判断されるのは「見た目」という事実もあるよね。

みなみ: 男性で、オシャレで実績のある、存在感のあるひとは、なかなか難しいな。

菜穂子: オバマ元大統領も仕立ての良いスーツを着て、鮮やかなブルーのネクタイしてましたよね。日本だと、グレイヘアにグレーのスーツを合わせていた小泉純一郎元首相。ファミリーマートの澤田貴司社長、マクドナルドとベネッセを渡り歩いた原田泳幸さん、あと立憲民主党の枝野幸男代表とか。みなさん、服装にこだわってるとご自分で公言しているし、存在感ありますよね。

みなみ: 悔しいけど、実際、私たちがすぐ真似できそうなのは、見た目かもしれない。

菜穂子: 人間のパッケージデザインみたいなものですよね。これだけ存在感がある人たちが服装や見え方にこだわっているのだから、私たちもトライする価値はあるね!

 

自分の言葉で話す人が
信頼を勝ち取る

みなみ: 見た目の効力は大きいかもしれないけど、それ以外にもあるはず。例えば米国ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、別にファッショナブルではないけど、言葉に力があって存在感がある。

美樹: ああー、確かに! クオモ知事の英語はすごく聞き取りやすいし。

みなみ: ニューヨーク、今コロナと暴動で大変でしょう。一時期、毎日クオモ知事のスピーチを聞いてたけど、すごくいいのよ。まず厳しい現実を、ファクト(事実)として、きちんと言う。それに加えて、亡くなった方たちに対して心が痛むっていう態度もすごく感じられた。

菜穂子: へえ〜。言葉で人の心をしっかり掴んでいるのは、さすがだね。

みなみ: 小池百合子さんは、元アナウンサーだけのことがあって、毎日の会見でもきれいに話してくれるところは良いと思う。

菜穂子: 小池さんの言葉は明瞭だよね。声がよく通るし、短い時間で歯切れがいい。ニュースを読むプロとして、これも長年のトレーニングの賜物でしょうね。短い時間でピッと話せるということは、テレビが使いやすいから、結果的に繰り返し報道されてしまう。

みなみ: 個人的には、もっと個性出してくれたほうがいいけど。アナウンサーの話し方は、きれいで伝わりやすいけど、自分の言葉なのかわからなくなっちゃう。なので、今回「密です、密」みたいなときのほうが、個性があってよかったな。

菜穂子: あれは耳に残ったよねえ。ゲームになったぐらい(笑)。

美樹: きちんとした話し方の基本があるからこそ「崩し」が効くのかもね。中身があるかどうかは別だけど。小池さんの場合は「自分の言葉」はあんまり感じられないな。

みなみ: 「自分の言葉で話す」力って、やっぱり経験から裏打ちされているというか、その人の歴史の重みですよね。生き方とか、信念とかがあるから、存在感につながるのかも。

 

周囲を巻き込んで、実績を作る……
仕事ができる人は存在感を増す

みなみ: 今回のコロナ対策で、東京都は早くから、すごくわかりやすいWebサイトを立ち上げた。そこに、エンジニアのオープンソースの取り組みを活かすなど、一般的にお役所だけではできないと思われていることを導入したよね。

菜穂子: その点は高評価でしたよね。

みなみ: ブレーンも良かったと思うんです。東京都ぐらいのサイズになると、小さい国の首相ぐらいの力があるじゃないですか。だから政治家は、ブレーンを集める力も重要ですよね。自分一人でなにかできるわけじゃない。

菜穂子: 「巻き込み力」? 確かに。今、調べたら東京都だけで16万人も職員がいるんだね。さらに外部の専門家なども、一気に束ねて。

みなみ: 「神輿(みこし)に担がれる力」っていう感じかなあ。周囲の力をうまく利用して、大きなことを成し遂げる能力が高いんだろうなと思います。

美樹: 「チームの長としてうまく機能している」っていう表現もあるね。

みなみ: 行動して、実績を作る。メンバーにやらせつつ、自分が押さえるところは押さえるという。表に出るところは、自分が出る!

菜穂子: チーム自体に存在感があると、結局それはボスの手柄になるよね(笑)。っていうか、それ普通に「仕事できる人」ってことですやん……!

みなみ: 確かに。

菜穂子: 「仕事できる人は存在感がある」説。周囲に一目置かれる。

美樹: それが生来のものなのか、仕事しながら次第に身につけていったものなのかは、気になるところだなあ。

 

信念を持って利他の行動を取る
そんな人には存在感があふれる

美樹: さっき小池都知事の野心が漏れ出てるって話をしたけど、野心って本来は何らかの「信念」に支えられているものだと思うんだよね。

菜穂子: あっ、「信念」というのは、「存在感」の近くにある言葉だって感じがするよ。

みなみ: うん、うん。一方でさ、野心と同時に「自分が中心」「自分の承認欲求のため」みたいな感じが透けて見えると、なんとなく信用できなくなっちゃうよね。

美樹: ああー、それは真実!

菜穂子: 小池さんに対して「ウッ」となる人も多いけど、そこかー。なるほどー。

みなみ: 他人のため、社会のための言葉こそ、説得力を持つし、みんなが動かされるじゃない?

美樹:  「利他(りた)」の心ってやつだね。

菜穂子: それ大切!

美樹: 私が学んでいる「ポジティブ心理学」でも、「自分にとって楽しい活動よりも、他人の幸せを考える活動の方が、永続的な満足を得られる」と言われているよ。

みなみ: 「利他」が結局、自分の幸せにつながるって、いいですね。情けは人の為ならず。

菜穂子: 「利他」がある人って、尊敬されますよね。「利他」のために野心を燃やしている人は、確かに存在感があるな。迫力あるっていうか。

美樹: そうそう。その点、小池さんはどうかな…。

みなみ: ところで、その「利己(りこ)」と「利他」は、どのぐらいのバランスがよいんでしょう? 人間だから「100%利他」というのは、なかなか至れない境地だよね。そこに行けるのは、偉大な宗教家とかになっちゃうのかな。

美樹: ダライ・ラマとか?

みなみ: ブッダとか?

菜穂子: ナイチンゲールとか?

美樹: 昨年、亡くなった緒方貞子さんとか。

菜穂子: 確かにすごい、利他がすごい方々だけど、私たちでも存在感ある人に近づける方法はないかな。もっと汎用性のある、身近なレベルでいいんだけど!

美樹: たとえばシングルのキャリアウーマンみたいに、今まで割と自分中心で生きてきた人は、これから少しずつ利他の精神を発揮していけば、より良い人生になると思うよ。

みなみ: なるほどね。具体的には何から始めればいいですか。

美樹: 後輩を育てるとか、社会活動をするとか。

菜穂子: これまで家族のために、もしくは自分の生活に精一杯で生きてきた、という人もいるよね。

美樹: 家族のために自分を犠牲にしてきた人なら、子どもが巣立ったら思い切り自分のために生きてみるのがいいんじゃないかな。バランスだよね。

菜穂子: 自分のことを大事にしていないと、人に優しくなれないから、その両方は確かに必要だと思う。まずは自分。余裕が出てきたら、人に。

みなみ: 信念を持って、自分だけでなく利他の行動を取る、か。そんな大人は確かに存在感があるし、周囲を幸せにする気がします!

 

コミュニティの中で
今日から、存在感を発揮できる

菜穂子: 今日の話をまとめると「存在感は、自分でしか作れない」。

美樹: つまりこれまでの積み重ねだよね。中身の伴わない「存在感」って、ないから。

菜穂子: 存在感の正体は、まず手始めに「存在感を意識した服装」という要素も大きい。それから「明瞭に、自分の言葉で話す」「チームの長として機能する」、「周囲を巻き込んで、ものごとを成し遂げる」。必要なのは「利他の心」。

みなみ: そういう話になりましたね。

菜穂子: これって「リーダー論」だね。でも40代以上が見るポイントとしてはいい線行ってると思うな。

美樹: ちょっと敷居高くないかな? 「長」になりたい人ばかりでもないし。

菜穂子: 今日はすごい人の名前ばかり出てたからね(笑)。でも誰でも、自分のチームの中で存在感を意識するとか。お友達や趣味の集まりの中でも、家族の中でさえ、できることあると思うな。

みなみ: いいね。これからの長い人生において、自分の存在感が、何で構成されているか? は、考えてみるといいかもしれない。

美樹: 寡黙な縁の下の力持ちでも存在感のある人はいるからね。存在感のある人になるために私はやっぱり「利他の心」を意識しておきたいな。

 

梅雨入り前の爽やかな風の中で、「存在感」について考えてみた3人。できれば「存在感」のある人になって、社会に貢献していきたい。そのために今から自分ができることはなんだろう?とそれぞれが考えながら帰途につきました。


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