2020年05月09日

家でどうしようもなく退屈したり、不安になったらどうする?

緊急事態宣言が5月末まで延長されました。先が見えにくい毎日が続き、家でどうしようもなく退屈したり、不安になっている人も多いようです。東京で、強く、美しく、賢く働く40代以降の人のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」編集部が、いろいろ心配な「withコロナ」時代の不安との付き合いかたについて語り合いました。

(この記事は、2020年5月9日時点のものです)

 


どうもやる気が出ない
退屈な日々がやってきた

美樹: 緊急事態宣言が5月いっぱいまで延びたね。

みなみ: 延びましたね。ふう〜。

美樹: 私、3月に靴を2足も買ったのに、一度も履いてないよ(苦笑)。ちょうど世間の気分が下がっていたから、せめて自分の気持ちを上げよう!と思って買ったのに。赤いハイヒールと、シルバーのフラットシューズ。

菜穂子: おしゃれしてお出かけ……、もう、ずいぶんしてない(遠い目)。春物の服、私も全然着てないなあ。

美樹: この靴を履いて出かけられるのは、いつだろう。この後は梅雨があるし、夏はサンダルだし。秋口になるんだろうか。

菜穂子: あのさ、ふと、「退屈だな」って独り言が出ちゃうことが増えたよ。

美樹: そろそろ、自宅にずっといるのは、かなり退屈よね。

みなみ: 退屈、わかります。退屈って2つ退治方法あるかなって思っていて。1つは「活動」、1つは「堕落(だらく)」(笑)

菜穂子: とことん堕落して、ぐしゃっとしてみるのも、この機にいいかもしれませんな……。いつもみんな、忙しすぎるから。

みなみ: 「日頃、絶対やらないことに手を出す」レベルの退屈だよね。どうでもいい、細かいことを色々見つけてやってます。「ひまつぶし」っていう言葉が的確。家の気になるとこ色々細かく修繕してみたり。棚を買って模様替えしてみたり。

菜穂子: 私は頭に「退屈」って言葉が浮かんだら、その時点で追い払うようにしてる。「いやいや、やることいっぱいある!」って、強引に思い直してる(苦笑)。

美樹: 私は仕事の合間に、粛々と放送大学の講義を受けたり、メンタルケア心理士Ⓡの勉強をしたり。

みなみ: みきさん活動派! 勉強いいですね。

菜穂子: 偉いなあ。前向き。

美樹: あと読書。「積ん読(つんどく)」を片付けてるよ。最近だと『ザリガニの鳴くところ』という小説がすごくよかった!

みなみ: 私も断捨離(だんしゃり)ついでに本の整理をしてたんですけど、「これ読み直そう」とか、1回読んだはずても「これ、読んだっけ?」っていう本もいっぱい出てきた。買っただけで全く読んでない本も。本って勝手に増殖するからなー。

菜穂子: わかるわかる。

みなみ: 捨てようか、もう1回読もうか、悩んでます。みんな、そういう本、どうしてる? 捨てられます?

美樹: 1回読んで、忘れているような本は「その時の自分に必要だったもの」だから、割と潔く処分してるな。必要な時が来れば、また買えばいいやと思ってる。

みなみ: よし。捨てます!

菜穂子: 私は本を処分する時は、まとめて寄付してるよ。「チャリボン」ていうサービスなんだけど。

みなみ: えー! そこに送る! ちょうど今日、捨てようとしてたから。

菜穂子: 手元にある適当な箱などに本を詰めて、チャリボン宛に送るだけ。書籍の販売代金は、好きなNPOや支援団体を選んで寄付できるんです。震災の被災地とか、子どもやお母さんの支援、難民救済、動物の支援など、いろいろあるので自分がピンと来るところに。67団体の中から選べます

美樹: 自分の必要ないものが誰かの役に立つって、すごくいいね!

みなみ: ただでさえ「捨てる」って罪悪感あるから、これは「手放す」だぞ、って自分にいいきかせて断捨離してたけど。誰かの「役に立つ」ならさらに気持ちよくやれる。

菜穂子: 仕組みとしては「寄付」なんだけど、現金の寄付に抵抗がある人も、「読み終わった本」なら気軽に出せるよね。

美樹: たしかに、心理的な障壁は低いね。

みなみ: ヒマな時間に、新しいことを色々試してみるのはよい!

菜穂子: ヒマな時間が人の役に立つのは、確かに自分も救われる。

美樹: ほんとそうだ!

菜穂子: 私はコンテンツを消費することにさえ、ちょっと飽きてきちゃったな。面白い番組とか、映画、本は、確かにたくさんあるんだけど……。受け身だと飽きちゃうのかな。私は企画書を作ったり、ブログ書いてる時、料理してる時とかは気分が良いから、何かを「作っている」と飽きないのかも。

みなみ: 作るの、楽しいよね。私は料理もするけど、この度、壊れたまま放っておいた子どものレゴ作品を修復し始めたよ。壊れたレゴを復元することですら楽しい。

菜穂子: (写真を見て)これ、めちゃくちゃ大作ですやん……。そういえば私の今週のニュース! 食べ終わったアボカドの種を10日前に水につけておいたら、根っこが出てきた(笑)。こういう話でいい?

美樹: いい、いい(笑)。私は、家の一角を整理して、猫用に、新しいキャットタワーを買ったよ。何か工作したくて。

菜穂子: 後輩で「8年住んでる家の、玄関をDIYして、カギ置き場を作りました」っていう子がいて、それは笑ったな〜。8年も住んでたのに、やっと手をつけたって、いい話じゃないですか。

美樹: わかる。私もそれやろうと思ってた(笑)

菜穂子: あと「しばらく放置してた洋服のボタンをつけた」っていう子がいた(笑)。そういう小さなことでも、ちょっとした「充実感」とか「達成感」が欲しいのかもしれないね!

みなみ: 「退屈」を「充実感」に変えられると、いいよね。

 

買ったばかりの新品の靴。おしゃれしてお出かけできるのはいつになるんだろう……。

 

毎日の生活の中に、ふと
不安が芽生える瞬間が

菜穂子: 今回は特殊事態だから、「不安になってしょうがない」っていう人も多いと思う。お金や仕事、健康などに、直接的な影響がある人もたくさんいるし。

美樹: 私はフリーランスだから、もともとの不安はそれなりにあったけど、今回の件でますます不安が募ってるよ。このまま仕事が続くのかな、とモンモンと考えちゃうことも……。

菜穂子: こんな社会変化は100年に一度レベルと言われているから、誰でも不安になっていいよね。

みなみ: ほんと、毎日の生活の中で、思いもしなかったようなことまで不安に思える瞬間があります。

菜穂子: 知り合いの占い師さんによると、占いに来る人がすごく増えたって。お客さんが不安を口々に訴えているそうです。

みなみ: 日々、状況が変わるので、仕事も、生活も、6月にはどうなっているかが全く予想できないもん。未来が見えないって、怖いよね。

菜穂子: 不安は溜まりすぎると「怒り」に変わるから、怒ってる人も多いなと思う。いつも穏やかな人でさえ、誰かを対象にして怒っている感じがする。

美樹: ポジティブ心理学者のロバート・ビスワス=ディーナー博士によると、「怒り」は、あなたやあなたの大切な人に「危険が迫っている」と教え、行動を起こし、奮い立たせてくれるものなんだって。

菜穂子: その考え方は役に立つね。「自分が怒っているな」と気付いたら、知恵を使って危険から逃げるか、環境を変えればいいのかな。

みなみ: 「怒り」は、未来への原動力にすることもできるよ。震災のあとも、新しいことを興す人たちがたくさん出てきた。

菜穂子: 先日の、干場弓子(ほしば・ゆみこ)さんのトークイベントで、「コロナで不安になってきて、楽しめなくなったらどうしたらいいですか?」っていう質問をしたんだけど。干場さんは「不安になったら、とにかく動け!」とおっしゃってましたね。「具体的に状況を変える一歩を自分でつくるといい」「行動を起こして、環境のゆがみを起こせ」って。

美樹: 「ああ〜!!」って腑に落ちましたね。

菜穂子: 自分を取り巻く暗黒を、メリメリと破壊するイメージができました。あれは、聞いてるみんなが衝撃を受けましたね〜。

みなみ: ほんと。とにかく動く! とにかく手を動かす。ヒマな今、まさにそれが起きてる。だから、ここの記事も書いちゃうもんね。

菜穂子: そうそう。今月は「40’s」始まって以来の、記事更新スピードです(笑)。

美樹: あと、「歩くことは最高の薬」という言葉を見たことがあるんだけど。『続々アメリカインディアンの教え』という本からの引用です。散歩は、実は身体だけじゃなく、健全なメンタルの維持にも役立っているみたい。

菜穂子: あ、社会心理学者の加藤諦三(かとう・たいぞう)さんの本ですね。すごく好きで、何冊も読んでます。自分の心を守る方法とか、悲しみに引きずられない方法をたくさん書いているから、この時期いいと思う。私もまた読み直してみよう。

みなみ:  なるほどね〜。ネイティブアメリカンの教えは知らなかったけど、歩くのはいい。ちょっと近所に散歩なら、今でもできるし。子どもと散歩も楽しいです。

菜穂子: 私は最近全く乗ってなかった自転車を引っ張り出しました。行き先は、近所のスーパーとか、郵便局なんだけど(笑)。5分でも風を切って走るだけで、少しスッキリするかな。ジョギング始めた人も多いよね。

みなみ: 確かにジョギングしてる人は結構見かける。あと朝、ベランダでラジオ体操をやると、めちゃくちゃ気持ちスッキリしますよ。

菜穂子: ラジオ体操、始めたの!?

みなみ: そうなの。日光浴、大事! 肩や腰もストレッチされて、一石二鳥。

菜穂子: 不安に飲み込まれたり、メンタルやられそうになったら、その「もやっ」を振り切って、なんかしら身体を動かすというのは、やっぱり大事な気がする!

 

壊れたレゴを再び組み立てる。普段なら絶対やらないことけど、偉大な達成感を目指して!

 

歴史から学ぶ、大規模破壊の
後に起きること

美樹: こういう状況だからこそ生まれている、新しい動きもあるよね。星野源さんの「#うちで踊ろう」はいいアクションだったと思う。あの歌とコラボしたミュージシャンの動画を見たり、自分でも実際にコラボしたり、楽しんだ人は多かったんじゃないかな。

菜穂子: レディ・ガガ主催の在宅コンサート”Together At Home”もすごかった。チャリティーであれだけのメンバーを、すごいスピードで集めて、しかも全て無料公開で。いろんなアーティストの自宅が見られて楽しかった。

美樹: あれはすごかった! さっとチャリティ企画ができるところ、さすがアメリカだよね。

菜穂子: 有名タレントさん同士が、オンライン飲み会を無料で生中継というのも面白かった。離れている、会えないからこそ生まれる新企画があるのは面白いね。

美樹: 映画『カメラを止めるな!』のキャストが、すべてリモートで撮影した短編映画『カメラを止めるな!リモート大作戦!』も良かった。一般の人から募集した映像を挟んだり、これも家から出られないことをうまく利用してたね。

菜穂子: 営業できないレストランが素敵なケータリングを始めたり、仕事が減ったヘアメイクさんがYouTubeを始めたり、とにかく動き始めてる人が素敵! 素敵だよ! みんな厳しいからこそ、「やると決めて、動いている」人は本当に輝いてる。

みなみ: ヒマな時間は、アイディアを生んだりする絶好のタイミングでもあるのね!

菜穂子: 至高のクリエイティブは、制限とか抑圧から生まれるんですよ。イタリアのルネッサンスしかり、日本の高度経済成長しかり。

美樹: ルネッサンスとは、大きく出たね!

菜穂子: 美術史です(笑)。「ルネッサンス」ってまさしく「再生」「復活・復興」っていう意味なんです。ヨーロッパの宗教戦争で、中世のしきたりが大きく壊れて、新しい芸術や科学が生まれた。そして第二次世界大戦で全てを失った日本も、焼け野原から素晴らしい製品をたくさん生み出した。歴史からは勇気がもらえますね。

美樹: 先日、昭和13(1938)年生まれの母親と電話で話してたら「私は第二次世界大戦中に、泥だらけの防空壕(ぼうくうごう)に入ったり、空から焼夷弾(しょういだん)が降ってきたりするのも経験してるし、長崎の原爆の雲も見た……」。

菜穂子: うわー、すごい!

みなみ: お母さま力強い!

美樹: 「最近では熊本地震も経験した。それでもなんとか生きてきたのよ」と言ってました。そういうレベルから見ると、なんか乗り切れそうな気もしてきたよ。

菜穂子: 心底、励まされる。個人的には、大規模破壊には良い面も必ずあるはずだと信じてます。

みなみ: 今回は戦争のときみたいに物理的は破壊はないけど、その分、社会の仕組みとか、経済の仕組み、働き方とか、そういうものは大きく変化しそう。

美樹: PTGという言葉知ってる? これは「Post-traumatic Growth」のことで、日本語では「心的外傷後成長」と訳されることが多いんだけど、まだあまり知られていない考え方かも。

菜穂子: へえ知らなかった。直訳すると「トラウマ後の成長」か。

みなみ: それって、つらいことがあったあと、それを糧に大きく成長するってことですか?

美樹: そう、肯定的に変化することができる。たとえば、他者への共感が増す、強さや自信が増す、生きていることや周囲への感謝の念が増す、ライフスタイルや仕事の優先順位が変わる、死生観が変わる、などの変化があると言われています。

みなみ: なるほど、感覚的になんとなくわかっていたことだけど、言語化されるとさらに納得! 震災後に価値観の変化がありましたもんね。

菜穂子: そういえば「雨降って地固まる」とか「塞翁(さいおう)が馬」っていうことわざがあるね。ことわざというのも古代からの知恵だし、同じ意味だね。

美樹: 本当にそうだね! ただPTGの概念には注意点もあって、さっき話したロバート・ビスワス=ディーナー博士は「結論を急がないこと」とも言っているのよね。「ある程度の時間がたって、自分に起きたことを客観的に見られるようになってからでいい」と。

みなみ: なるほど、少し元気になってから色々はじめる、でもよいわけですね。 

菜穂子: まとめると、まずはゆっくり心と身体を休めて、とことん静養する。前向きになれる芽が自分の中に見つかったら、全力で動く! これがこの異例の日々を生き抜く秘訣なのかもしれません。

美樹: そう考えると、今、とても貴重な時期を過ごしているのかもしれない。

菜穂子: 「今月どうしよう……」って思うとめちゃくちゃ不安になるけど、「私の人生の中で、この2ヶ月の意味は何か」と考えるようにしようと思う。短期視点じゃなく、長期視点。

美樹: あとから思い返して「あの時、PTGが起きたから、今の自分がある」って思えるといいね!

不安な日々だけど、笑顔で過ごしましょう!

 

「家でどうしようもなく退屈したり、不安になったらどうする?」……みんながその解を探している中、いち早く動き始めたり、新しいことを考えている人もいるよう。この記事が、何かを始めようとしている人の背中を押すことができたら、編集部一同、嬉しく思います!

 

▶︎編集長・池田美樹のおすすめ

小説「ザリガニの鳴くところ」
ディーリア・オーエンズ(著)・友廣純(翻訳)、早川書房刊

〜この少女を、生きてください〜
全米500万部突破、2019年アメリカでいちばん売れた本。

 

▶︎加藤諦三の本
作家・社会心理学者。早稲田大学名誉教授、ハーバード大学 ライシャワー研究所 客員研究員。ニッポン放送のラジオ番組「テレフォン人生相談」に40年以上パーソナリティーとして出演中。

    

    


2020年05月09日 Posted by naoko | カテゴリー: Business, Life-Style | タグ: , ,

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