「オジサン」と「いい男」の違い|2019年8月の座談会
「オジサン」と「いい男」の違い|2019年8月の座談会
東京で、強く、美しく、賢く働く40代のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」。
今回のテーマは「オジサン」と「いい男」の違いについて。オジサンって、いつからオジサンになるの? 髪の毛の量と、いい男度は関係ある? 炎上覚悟で40’sたちが放談します!
【左】ディレクター 及川恵利 >twitter
【中】編集長 池田美樹 >twitter
【右】プロデューサー 守山菜穂子 >twitter
40’sの人気記事から着想した
今回の対談テーマ
美樹:今日の座談会テーマは「おじさんと、いい男の違い」です。キリッ。
菜穂子:「Beautiful 40’s」の中で、「おばさんと、いい女の違い」っていう記事があるんですけど、これがウェブサイトの設立以来、ずっとアクセス数1位なんです。いつもいつも、圧倒的に読まれているんですよね。
恵利:みんな、こんなにも「おばさんと、いい女の違い」が気になるなら、きっと「おじさんと、いい男の違い」も気になるよね? ということで、今回このテーマにしてみました。私たちもじっくり考えてみたい!
おじさんの定義は
年齢? 見た目?
美樹:さて、最初に「おじさん」の定義から話しましょうか。私、大学院に行ってたから、何か言葉を使うときに「その定義は?」とか、「定義をハッキリしないと比較ができない」って必ず言われてきたので、その習慣がついています。まずは、おじさんの定義をみんなに聞きたい。
恵利:はい。まず当然、年齢はあるかなと。20代の子を「おじさん」とは呼ばないよね。
菜穂子:おじさんとは、「年をとっている人」?
美樹:まあ物理的にはそうよね。
恵利:あと、失礼ながらやっぱり、外見もあるかなと思うの。
菜穂子:ふふ……。切り込んで来た。
恵利:お互い様だと思うんだけど、男性も「おばさんかどうかは、年齢じゃなく、外見によるところが大きい」って思ってるでしょ? その人が築いてきたものが現れる、という意味をこめて、やっぱり外見。
美樹:外見により「おじさんかどうか」が左右されるっていうことですね。
恵利:あと、「おじさん」という言葉を、ネガティブにとるか、ポジティブに捉えるかによって、この後の話が変わってくると思うの。
菜穂子:「いいおじさん」とか「素敵なおじさん」もいるよね?
恵利:でも今回、「おじさんと、いい男」っていうテーマ設定なので、「おじさん」という言葉をすでにネガティブに設定しているよね。
菜穂子:あはは、確かにそうだ。
美樹:いわゆる「オッサン」っていうやつね。これ、記事には書けないけど。
菜穂子:いやいや、書きますよ(笑)。「オッサンと、いい男の違い」!
美樹:これは厳しい〜!
くたびれ度合いが
おじさん度に正比例する
恵利:おじさんらしさを測る基準に「くたびれ度」があると思わない? 特におしゃれでなくても、「なんだか、いつもポジティブ!」っていう方と、「なにか、いつも、くたびれてる」方では、やっぱり違う……。ポジティブな人は、いいおじさんかも。
菜穂子:確かに(しみじみ)。
美樹:平日の夕方の電車に乗ると、「くたびれたおじさん」のオンパレードだよね。
菜穂子:オッサンね(笑)。
美樹:オッサンたちのね(苦笑)。
菜穂子:私は、「やらされてる感」が強い人は、「オッサンぽいな」と思うかなあ。逆に、自分から何かをしている人は、いい男だな、と思います。能動的な人。
美樹:あ~、なるほどね~!
恵利:それは、わかるなぁ。
菜穂子:なんて言うのかな、「前向き度」? 「俺は本当はこんな仕事をしたいんじゃない」とか、「こんな満員電車に乗りたくない」とか……。
恵利:新橋のガード下でよくあるような(笑)。
菜穂子:ぼやいてる感じ。そういうの聞くと私は「辞めればいいのに〜」「オッサンくさい」って思っちゃいますね。
美樹:そういえば最近Twitterで、LINEの田端さんが「スーツ着るのが嫌だったら辞めちゃえば?」「誰があなたにそれを強制したの?」みたいなことを吠えてたけど、非常に印象的だった。
菜穂子:だいたい言い訳としては、「家族が」「妻が」「子供が」ですよね。でも八方塞ぐようで恐縮なんですけど、それも結局、言い訳だと思うんですよ。誰かにやらされてると思って「人生」を生きてる人は、おじさんぽいなと思う。自分で生き方を選んで、生きてる人は「いい男」っていう感じがしますね。受動的か、能動的かの違い。責任を背負ってるっていうのかなあ。
恵利:同じ境遇でも、受け取り方は人によって違うしね。同じ会社で、同じ部署で働いていても、後ろ向きな人と、前向きな人がいる。そういえば私、20代の頃、会社の上司たち、いわゆるおじさま世代と一緒に飲み屋に行った時に、終始、会社のグチだったことがあって。「うわ〜、この人たち、オッサンだ!」って強烈に思った。今、思い出した。
菜穂子:強烈なグチを聞かされたりすると、その瞬間に相手が「上司」じゃなくて「オッサン」になっちゃうよね。
美樹:その流れで、いわゆる、ちょっぴりセクハラ的なことを言う人も「オッサン」だよね。
恵利:あ〜それ、完全に「オッサン」です! はい(キッパリ)。
菜穂子:パワハラも、セクハラも同じなんだけど、それって結局、弱い者いじめじゃないですか。逃げられないとわかっているから攻撃する。強い人にはしないし、どうせできない。「俺が何か言っても、どうせ逃げられないだろ」とか思っている人は、おじさんぽいですね。ダサい。
美樹:うん、うん。
菜穂子:対して「いい男」は、誰のことも丁寧に扱いますよね。弱い人のことも、立場が上の人のことも、対等に。そういう人は尊敬しちゃいます。
恵利:セクハラ・パワハラって「俺の中ではOK」っていう、自分の価値観が滲み出ちゃってるのよね……。「自分がルール」になっていて、相手のことを考えない。つまり、自分を客観的に見られない、残念な人なのかなと思った。
美樹:ああ~。今の「客観的」っていうキーワード、私すごくピンときたな。「自分のことを客観的に見ることができる人」は、なんかすごく、いい男のような気がするな!
菜穂子:客観性ね。視野が広い人と、狭い人という表現もあるよね。
恵利:「外からこう見られるだろうから、こういうことはしない」っていう意識が、ちゃんと働いている人は素敵。
菜穂子:自分の目の前しか見えてない人は、確かにすごく、おじさんぽい。遠くや、未来を見てたり、周りを良く見ている人は「いい男」って感じするなぁ。
美樹:ものごとを俯瞰(ふかん)できる人も、いい男だよね。
恵利:年齢なりの経験から得た「視点の高さ」があるのが、年をとった人の強味だと思う。プラスして、一般的に年齢を経ると、自信がついてくるから、新しい価値を柔軟性を持って受け入れることができる。こういう人は、魅力があると思うな。
仕事ではいい男なのに、
飲んだら「おじさん」に変身する人
美樹:同じ人の中に「おじさん」と「いい男」が混在してるっていうことはないのかな?
菜穂子:それ、あると思う。場によってね。仕事ではいい男なのに、飲んだら途端に「おじさん」に変身する人、いるよね(笑)
恵利:いるいる。それは「素(す)が出た」っていうやつかな?
菜穂子:うーん、どっちが素なんだ。
恵利:普段「いい男」だと、ちょっと出た「オッサンくささ」が、また、かわいげに見えたりも(笑)
美樹:わっ! きゅんとした(笑)
菜穂子:いい話や。
美樹:男の人ってさ、そもそも、「自分がいい男でありたい」って思ってるのかな?
恵利:思ってるんじゃない? それは、たぶん「モテたい」に繋がるのでは。
菜穂子:彼らの言を借りると「いつまでも『男』でありたい」……みたいな言い方になるかもね。
美樹:「男」、なるほどねぇ(笑) では、どうして「おじさん」から脱却できないんだろうか。
恵利:「周りがそうだから」かな。
菜穂子:おじさんの周りには、おじさんが集まってくるっていうこと?
恵利:そう、そう。
菜穂子:そうなのか(笑)。だいたい、おじさんやオッサンには、友達がいるのかな?
恵利:そりゃ友達ぐらい、いるだろう。
菜穂子:「オッサン」には、「オッサン友達」がいるのか?
美樹:周りに何か言ってくれる人がいないから、「おじさん」は「おじさん」のままであり続けるのかなあ。逆にいい男には、誰か言ってくれる人がいるってこと? それとも、いい男は、元からいい男?
菜穂子:いい男は、周りから「いい男ですね」って言われて、スクスク育っていくんじゃない(笑)。
恵利:「○○さん、カッコイイよね」って言われ続けてね。いい男は、男女・年齢、関係なく、モテるよね。顔じゃなくて、立ち居振る舞いの問題な気がする。
美樹:それで、どんどん「いい男度」が増していくのか。
菜穂子:思ったんだけど、20代か、30歳ぐらいで、「いい男コース」に行ききそうな人と、「オッサンコース」に行きそうな人、もうすでに分かれてない?
美樹:うん、わかる。
恵利:「いい男コース」かと思っていた人が、「オッサンコース」に入っちゃうこともあるよ。
菜穂子:それはあるね〜。逆もあるね。「オッサンコース」かと思いきや、意外にも「いい男コース」に進んでるな、っていうことがある。同期や後輩とか見てると。
恵利:ある! あります!
美樹:そういう人たちさ、途中で何が起きたか、ちょっと調べてみたいよね。奥さんや彼女によって変わったり、するのかな?
菜穂子:パートナーの影響あるでしょうねえ。あと、仕事によって変わってしまう人もいる。自分の納得いく仕事をさせてもらえなくて、すねてしまい「オッサンコース」に転落して行った人も、見たことある。
美樹:難しいね。仕事の環境がオッサンを作ってしまう。
菜穂子:わかった! まとめるとね、意思ですよ。いい男は「自分がいい男である」という意思を持っている人。それで、オッサンは、「自分がオッサン」だと思って、諦めた人。
美樹:ああ~!
美樹:うん、うん、究極的にはそうかもしれない。……あれ!? 「おばさんといい女の違い」も、そういうオチじゃなかったっけ。
菜穂子:そうだ。「いい女と自分を捉えておる人が、いい女」っていうオチだった気がする(笑)
恵利:結局そこだ。あと、「美学」っていう表現はどうかな。
菜穂子:「いい男とは、美学がある人」。いいね。美学は人それぞれだもんね。正解がない感じもいいなあ。
「いい男になりたい」と思ったら
何から始めればいい?
美樹:では、自分はオッサンじゃなくて、いい男になりたいなと思ってる人がいたとして。「アドバイスが欲しい」と言われたら、何て言う?
恵利:まず、やはり外見が大事。
菜穂子:外見は、どうしたらいいんですか? 何に気をつけたらいい?
恵利:「清潔感」でいいです! すごくおしゃれである必要はないし。
美樹:「清潔感」、大事よね。
菜穂子:心がけよう。
恵利:あと、見た目が、ぶよんぶよんっていうのは、どうかなと思う……(苦笑)
美樹:体型ね。
菜穂子:体型はけっこう大きい気がするな〜、やっぱり。ある程度、引き締まってると、それだけで「いい男」に見えますからね。
恵利:恵利:大きいよね。
美樹:私、髪の毛も大事だと思ってて……。
恵利:あら!
美樹:あんまり手入れしてなくて、髪がポヤポヤッとしてるおじさん、いるじゃない? ちゃんと美容院に行けばいいと思うのよ。
菜穂子:それさ、髪の量は関係ないよね? 適当にしてるか、ちゃんとしてるか、だよね。
美樹:量じゃないのよ。
恵利:そうそう。「ヘアスタイル」。
菜穂子:量が少なくても、ちゃんとしてる人は素敵だよね。
美樹:気を使ってるかどうかは、周りにもわかる。
恵利:美容院に行けばいいのよ。
美樹:美容院に行くほうがオススメだね。床屋さんよりも。量は、あんまり気にしてないよね? 女性たち。
菜穂子:男性陣は、髪の量をすごく気にするけど、女性はあまり気にしてない。薄めでもカッコイイ人いっぱいいますから。
恵利:うん! 気を配ってるかどうかよね。
菜穂子:「気を配ってる感じ」が伝わったら、素敵だよね、少なめでも。そんなのお互い様だし。女性も年齢を経て、髪は少なめになってくるし、白髪にもなる。
恵利:シミ・シワも出てくる。
菜穂子:あれこれ出てくるので、お互い様。でも、「この人ちゃんと気を使ってるな、素敵!」って思う感じはあるよね。
恵利:うん、うん。
美樹:私の知人で、「自分がモテない」って公言してた人がいるのね。「俺はモテない男の代表だ」ってずっと言ってたんだけど、最近、周囲に「婚活してる」とカムアウトし始めた。
菜穂子:へえ〜、感じいいね。
美樹:そうなの。そうしたら、その人に対する見方が変わりました。「あ、この人、ひねくれてる人じゃなかったんだ」って思えた! すごくストレートに、その人のことを見ることができるようになった。
菜穂子:それはおもしろい。
美樹:だから「正直である」っていうのも、私の中ではすごく大切なポイントでした。
菜穂子:なるほど、「弱みをさらけだす」みたいなことかな。それはなかなか上級テクですね。
「いい男」は日頃から
いい男と交わっている
菜穂子:私は、「いい男でありたい人は、いい男と交わってください」とお伝えしたいな! 自分が「いい男だなぁ」と思う人と、積極的に会うとか、男同士でもご飯食べに、飲みに行く。いい男の仲間に、自分から入って欲しいな。「権力のある人」じゃなくてね(笑)。
美樹:うん! それがいいと思う。
菜穂子:取引先なら「仕事ご一緒してみたいです」って言うとか、ゴルフの先生がカッコイイと思ったらその人に習いに行くとか。ビジネス系で素敵な人がいるなら講演を聴きに行くとか。簡単なこと。何かしら素敵な人が、手の届く範囲にいると思うので、近寄って行って欲しい。
美樹:「周りに『いい男』なんて1人もいねーよ」っていうのは、怠慢だよね。いるよね。
菜穂子:もし、「やっぱり、アイドルがいい男だ」と思ったら、アイドルのコンサートに行けばいいんですよ。メンズアイドルのコンサートに(笑)
恵利:あはは!
美樹:昨日、テレビ見てたら、東山紀之さんが出てたんだけど。私たちと同い年くらいでしょ?
菜穂子:少年隊の「ヒガシ」ですか。今、調べたら、1966年生まれ、52歳だって。
美樹:そうだよねえ。すごい、カッコよかったの。びっくりしちゃった。身体のキレが抜群だし、もちろんお顔も美しいけど、立ち方とか、たたずまいとか、ものの言い方も、すごく素敵だった。「50代になっても、こんなに素敵でいられるんだな」って思いました。
恵利:意識の差ですよね。
菜穂子:ヒガシがカッコイイな、と思ったら、男1人でもコンサート行けばいいんですよ。
美樹:福山雅治さんは、男限定のライブをやってるよね!
菜穂子:長渕剛さんのコンサートも、男性に人気あるよねえ。彼は50代?
恵利:長渕さんは1956年生まれ、62歳だって! すごい。あとはサザンオールスターズの桑田佳祐さんも60でしょう?
美樹:えっ、60代なの?
菜穂子:過ぎてる。1956生まれ、63歳だって。
美樹:カッコイイよね~。
菜穂子:何歳になっても、セクシーでカッコいい。「いい男」に年齢は関係ないから、絶対、諦めないで欲しい!
美樹:ああいう男たちを見習ってね。「いい男」のコンサートに行くっていうのはいいと思う。
菜穂子:若い時は、それだけで誰でも綺麗でしょう。でも人生100年時代に、40代や50代で「いい男」であるというのは、大事ですよ。何歳からでも「いい男」に、もう一度なり直せると思う。
恵利:なれる、なれる!
美樹:人生変わるよね。今「いい男でない」って自分で思ってる人は、人生をさらに良い方に変えられる、チャンスがある。
菜穂子:40代、50代から「いい男」を本気で目指す人は少ないから、そこに知恵とか、時間を使ったら、成長できるし、ブルーオーシャンですよ。そしてあと50年ぐらい生きるわけだから、投資効率としても悪くないと思う。
恵利:いい話。
美樹:先日、私がFacebookに「Beautiful 40’sの男性版のミートアップをやりたいな」って書いたら、かなり多くの男性が手を挙げてくれました。
恵利:ほんと!? やろうよ!
美樹:うん。「Beautiful 40’s」版のメンズ会、いずれやりたいなと思ってます。
菜穂子:面白そう。メンズ座談会してもらいたいですね。
美樹:ヒガシ、来てくれないかな〜♪
恵利:うわっ、夢がデカ〜い!
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