40代が抱える「睡眠」の問題|2019年5月の座談会
40代が抱える「睡眠」の問題|2019年5月の座談会
東京で、強く、美しく、賢く働く40代のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」。5月の座談会は、40代の睡眠、眠りのハナシ。眠りはエグゼクティブのトレンドとも言われている中、あなたはよく眠れてる? 眠り環境について、何か工夫してる?
【左】プロデューサー 守山菜穂子 >twitter
【中】編集長 池田美樹 >twitter
【右】ディレクター 及川恵利 >twitter
寝られない日々に、
睡眠薬を初体験! その効果は?
菜穂子:暑くて寝苦しい季節がやって来ますね。今回は「眠り」がテーマです。
美樹:最近の私の経験なのですが、3月に大学院を卒業した後、1ヶ月半ほどあるオフィスでお仕事をしていたんです。ところが「毎日、仕事をする」っていうのが2年ぶりなので、緊張と疲れがひどくて……。ほら、オフィスって、疲れたときにちょっと横になったり、勝手に休んだり、できないじゃないですか。
菜穂子:家で論文を書いている学生とは違って、勝手にゴロンとはできませんね(苦笑)。
美樹:それで、緊張からか、頭が疲れすぎて、夜、眠りにつけなくなってしまったんです。
恵利:あら。眠れないのはツラいねえ。
美樹:ツラいんですよ。今まではベッドに入ったら15秒ぐらいで意識を失って、朝になる、っていう良眠体質だったんですけど。それで更年期障害の治療で通っている病院の、主治医に相談したら、軽い睡眠薬をくれました。ということで、生まれて初めての「睡眠薬」体験をしました!
菜穂子:へえ~! 私、飲んだことないや。どんな感じなんですか?
美樹:あのね、普通に寝るときって、なんとなく眠っていく……って感じってがあるじゃない? 睡眠薬って、それがないの。要は「気絶」するんですよ。
菜穂子:なるほど……。
美樹:あと、目が覚めたときも「それまで寝てた感じ」がしないの。「あれ、私、今、寝てたの?」っていうぐらい、寝た実感がない。
恵利:不思議~!
美樹: あと、「睡眠薬は、眠ったら、朝までずっと気がつかない」という作用があるものと私は思っていたのね。ただ実際、私の場合は、服用してから寝つきはいいんだけど、夜中の3時ぐらいにバチッと目が覚めちゃいました。
恵利:睡眠薬の効き目が、朝まで続かなかったのね。
美樹:そう。それで、「あれ? 効いてないじゃん!」と思って、先生にそう言ったら「じゃあ、もうちょっと効き目が長いやつを出しましょう」って別の睡眠薬を出してくださったの。それでもやっぱり朝3時に目が覚めてしまう(苦笑)。これは一体、なんなんだろう?
恵利:起きて何かしたい、っていう意識のほうが強かったのかも(笑)。美樹さん、アクティブだから。
菜穂子:睡眠薬の効果に、美樹さんの起きたい意識が打ち勝った(苦笑)。
美樹:覚醒(かくせい)感が強いのか……!
菜穂子:あと、寝るのって体力が要るから、歳を取ると深く眠れないって聞いたことあります。シニアの皆さんがそれで苦労している印象がある。
美樹:うわっ、それかも! 睡眠薬を使っても、眠れない年齢になってしまったんだろうか?
菜穂子:ぐっすり眠りたいよね〜。
美樹:うん。でも、こんな感じで、残念ながら、睡眠薬は私にはうまくハマらずだったのよ。
3時間しか寝られない。
これって「睡眠障害」!?
恵利:私は、ベッドに入ったら、気づいたら寝ちゃってる。「寝られない」ということは、ほとんどないんだ。ただ、熟睡はするけど、長い時間、寝ていられないのが悩み。例えば深夜1時ぐらいに寝ても、4時とか5時に目覚めて、完全に覚醒しちゃう。いつも6時半に目覚まし時計をかけているけど、その音はここしばらく聞いたことがないです(苦笑)。鳴る前に起きちゃうの。
菜穂子:一度に3時間しか寝れないのね……!
美樹:それは短いね! 日中ヘトヘトになりそう。
恵利:そう。この、長く寝られないのも「睡眠障害」のひとつだって、最近、知りました。
美樹:ちなみに、早く起きて、そのまま活動を始めるっていう選択肢はないの?
恵利:それ、やってみたの! 起きてしまうのを利用しようと、朝4時からいろいろ活動を始めるんだけど、寝足りてはいないから、2時間後にまた眠くなっちゃうんです。やっぱり長くは寝たいんですよ。
菜穂子:そうなんだ……。恵利さんって、普段ジムに行ったり、ジョギングしたり、すごく運動するじゃないですか。それで例えば、フルマラソン出場とか、そういう運動量の多い日はどうなの?
恵利:運動した日でも、寝入りのよさと、寝る深さは変わらない。でも朝は同じく、やたら早く起きちゃう。
菜穂子:マラソンの翌日でも、早起きしちゃうのね!
恵利:そうなんです。眠りが浅いとか、短い、寝られていない、でも病院に行くほどではないし、って悩んでる人、私だけでなく、結構いるんじゃないかなあ。
菜穂子:最近は睡眠外来など専門のクリニックもあるので、本当に対処法がわからなかったら、医師に相談するのも大切ですよね。病院とか検査が好きな、恵利さん向きかも。
恵利:確かにね。そういえば私、ハンモックで寝てみたいな!
菜穂子:(笑)。急な展開!
美樹:でも確かに、ハンモックは良く寝られるかもよ。先日ハワイに行ったとき、海辺でハンモックにくるまって寝てる人がいっぱいいて、うらやましかったなあ。
恵利:「ハンモックカフェ」っていうのもあるよね。揺れながら昼寝してるんでしょ。
菜穂子:むむ! それ行ってみたいな。
美樹:あと「ハンモックヨガ」というのもあるね。めっちゃよく寝られるらしいよ。私の友人が、ヨガ中に眠くなって困るって言ってた。
菜穂子:さかさに吊られたりするやつ? ハンモックに包まれて、ゆらゆらするんですよね。これも未体験。
恵利:逆に、重力がわからなくなって気持ち悪くなるという噂も。人によるのかも(笑)。でも、得意のジムでハンモックを試すという手もあるか。
サプリメントで
快眠を得るのが手っ取り早い
菜穂子:私は寝るのが好きで、どうやったら「より気持ちよく」眠れるかを追求するのも大好きですね。今のベッドには投資しましたよ(笑)。やっぱりちゃんと寝ると体調もいいし、肌も調子いいし。
恵利:へえー、こだわってる〜。
菜穂子:今年の春、ベッドルームの遮光(しゃこう)カーテンを、自然光が入るコットンのカーテンに買い替えたんです。以前は夜型生活だったので「目覚し時計の鳴る時間まで、しっかり眠りたい」と思っていたけど、最近は「朝になったら自然に目覚めたいな」と思うようになって。これは大成功。
美樹:へえ〜面白い!
菜穂子:あと、ぐっすり眠りたい人におススメしたいのは、サプリメント。味の素の「グリナ」と、森下仁丹の「テアニンゼリー」。
美樹:あ、私、グリナは飲んだことある!
菜穂子:グリナは、2005年、私が出版社にいたときに発売されたので、味の素さんのキャラバン(メーカーさんが新商品を発売したときに、マスコミに対してプレゼンする機会)で、サンプル商品をいただいて知りました。
美樹:そうだ、私も出版社時代に、キャラバンでいただいた。
菜穂子:その後に編集部のみんなで飲んでみて、「ぼくは効いた」「私は全く効かなかった」とか、いろいろ言ってたんですけど。私自身は、めちゃめちゃ効いたんですよ! 「体質に合ってるな、コレ」と感じました。なので、その後に自費で追加購入して、ぐっすり眠りたい時期に使っていました。
恵利:グリナは、いつ飲むの?
菜穂子:寝る前に飲むんです。グリナを飲むと、眠りが深くなるんですよ。よく、眠りのグラフで、波状に眠りの深さが変わっているのを見たことありますよね。その深いところが「より深く」なるので、朝起きたときに「寝た感」がすごいあるんです。「うわー、ぐっすり寝た~!!」っていう感じになる。
恵利:気持ち良さそう!
美樹:そうだ。今の私の症状改善にいいかも。
菜穂子:いいかもですね。ただ人によって、合う・合わないはあるのと、合わなかったらゴメンね、って感じです。私はめちゃくちゃ合うので、疲れてヘトヘトの時に飲むと、「あ~寝た!」って感じになりますね。
恵利:その「寝た感」重要ですよねえ。
菜穂子:あと、グリナはサプリメントなんです。あくまで食品。薬じゃないのもちょっと安心じゃないですか。2015年に「機能性表示食品」になったようですね。グレープフルーツ味の顆粒で、飲みやすいです。
美樹:通販でしか手に入らないんですよね?
菜穂子:発売時は「味の素」の公式サイトのみでしたが、今はドラッグストアでも買えるようです。Amazonや楽天でも普通に買えますよ。値段は安くないけど、お試しセットみたいなのもあると思う。
美樹:ふむふむ。いろいろ進化しているんだな。
菜穂子:もうひとつの、森下仁丹の「テアニンゼリー」っていうのは、これも似た感じで、朝、起きたときに疲労感があんまりないというか、「寝足りない感」がないんです。自分に疲れが溜まっている時とかに飲むといいな、と思って、安心材料で備えてます。
美樹:いいね!
菜穂子:テアニンゼリーは、薄いゆず味のゼリーで、ちゅるんと食べられるので、口さみしい夜にも。ただし一度に食べていいのは1個だけ。甘くないし、すごい薄味なので、美味しくはないです(苦笑)。
「スリープテック」が
世界的なトレンド!
美樹:私、毎年アメリカのラスベガスで行われている世界最大の家電の展示会「CES(セス・Consumer Electronics Show)」を定期的に観に行っているんですけど。2018年は、スリープテック(SleepTech・睡眠改善をサポートするテクノロジー)のフロアがものすごく広くて、驚いた。この波、まだ日本には来てないなと感じました。
恵利:スリープテック、すごく興味ある!
菜穂子:2人ともガジェット好きだからな〜。この話題、好きそう! スリープテックという言葉は、最近、メディアの記事でも良く見かける。
美樹:スリープテックは、これからどんどん日本にも入ってくると思う。ベッドそのものだったり、抱き枕だったり、着て寝るものもある。とにかく、睡眠の質を良いものにしましょうっていう概念が、テクノロジーの分野ですごく注目されてます。CESで発表された商品で、すでに日本の代理店がついて輸入されているものもありますね。
恵利:ふむふむ。
美樹:私が一番気になってるのは、オランダの会社「Somnox」が開発している「スリープロボット」。これはコクーン(繭・まゆ)みたいな形をしている抱き枕で、寝る人と一緒に、自然に呼吸してくれるというもの。よく寝られるそうですよ。
恵利:ええ〜、面白いけど、ちょっと気持ち悪いかも(笑)。私と一緒に、コクーンさんも呼吸してるってこと?
菜穂子:寝られなくて苦しんでる人がいたとき、隣の人が一緒に呼吸を合わせてくれると寝られる、っていうテクありますよね。例えば夫婦とか、カップルとか、親子だと。
恵利:なるほど! 私は隣の人の呼吸が気になっちゃうかも!「えっ、なんか私と一緒なんだけど」って。
菜穂子:そういう人は1人で寝てください(苦笑)。しかし1人寝でも、抱き枕が呼吸を合わせてくれると、自然に眠れるってわけだ。面白いな。
美樹:あとは私の友人の会社で作っている「Sleepion(スリーピオン)」という商品。寝るときに、音と、灯りと、アロマ(香り)を同時に調整してくれて、寝室を快適環境にして、快眠へと導くというツールです。
菜穂子:テクノロジーで眠れるようにするとか、道具を活用するというのは面白いね。
美樹:テクノロジーの分野も「活躍する」「活動」の分野だけでなく、「寝る」「休む」にも活用しようという流れが来ているんですね。
菜穂子:私は2017年から、寝るときと、起床時、「Sleep Cycle(スリープサイクル)」っていうアプリを使ってます。前に美樹さんに聞いて、「いいな」と思っていたんだけど、他にも何人か使ってる人がいて、「やっぱりいいんだ」と思って入れました。
美樹:私は2010年から使ってるの。
恵利:え、すごい長い!
菜穂子:これ、寝るときに、さざ波の音がするじゃないですか。それが好きで使ってるんですよね。ちょっとかけてみていいですか? (静かなさざ波の音……)コレ聴きながら寝るの、単純に気持ちいいです。
恵利:なるほど~ほんとだー! これを枕元に置いておくの?
菜穂子:そう。あと朝は感じのいい、品のいい目覚ましミュージックが鳴ります。それも感じ良いのよ。ジリジリジリ!みたいな騒々しい音で起きるんじゃなく、大変感じのよい音楽で起こしてくれるので。さわやかに起きられる。
恵利:それ大事!
美樹:寝てるときって、すごく深く寝てる時と、少し覚醒に向かっている時があるじゃないですか。このアプリは、枕元にスマホを置いておくだけで、自分の睡眠の波がグラフで記録されます。あと、覚醒に向かっている時に合わせて、目覚まし音を鳴らしてくれるっていう仕組みなんです。
恵利:なるほどね。すごい。
菜穂子:覚醒に向かっている時に、感じのよい音楽がかかるから、非常にスッキリ起きられるという仕組み。
美樹:長く記録を取ってると、すごくおもしろい。自分の睡眠の質が、その年にどれぐらい良かったかグラフで出るんだけど、会社をやめる直前の睡眠が最悪だった(苦笑)。どんだけツラかったか、客観的にわかったよ。
菜穂子:つらみですね~!
恵利:ピースボートの上では、睡眠の質はどうなんですかね?
美樹:それは私も気になるから、記録を取って皆さんにまた報告したいと思います。
「休む」ことを積極的にして
眠りを楽しもう!
恵利:今日の話を聞いて、私、ちょっと睡眠を軽んじてるかもしれないと思いました。睡眠について、もっと考えたほうがいいなと。なんとなくツラい、とは思いつつ、特に何も使ってなかった。
美樹:恵利さんは、スポーツジムも、ガジェットも、医者・クリニックも大好きなのに(笑)。何もしてないの意外でした。
恵利:そうよね〜! 先ほどの健康食品はぜひ試したいと思いました。あとね、活動ばかりじゃなくて、「休む」こと、身体を休めること自体を、もっと大切にすべきだなと思いました。
美樹:ほんとそうだ! 活躍するためには土台が必要だから。眠りってほんとに大事よね。
菜穂子:私は、「眠り」って毎日のことだから、それを楽しめたらすごくいいなと、改めて感じました。「食を楽しむ」とか、「衣服を楽しむ」ってあるけど、眠りも前向きに楽しんでいいんだよね。
美樹:世界中のエグゼクティブの間で、眠りはトレンドになっているそうですよ。自分の眠りについて、丁寧に考えて、またみんなで情報共有したいね。