大人の女のSNS論
文/池田美樹(編集部)
SNSは人を決して幸せにはしないという研究結果が数多く発表されている中、それでも上手にハッピーに使っている大人の女性たちには共通の特徴があります。
「距離感」です。
たとえば、Facebookを例にとると、忙しくて余裕がなかったり、ちょっと気持ちがローな時には見ないようにしているし、自分自身も発信しない。そして、元気になったらまた復活するという人がいます。
タイムラインを一切見ない、という人もいます。誰かに会うときはその人のページに行って近況をさっとチェックするだけなのだそうです。
逆に、タイムラインを眺めるのが楽しみ、という人もいます。いろんな人がシェアした記事を読んだり、近況を見たり、イベントの情報を知ったりするのが楽しい。だから、気分が上がらないときは、タイムラインを眺めて世界の多様さに思いを馳せ、元気の源にするというのです。
ごく少数のリアルな友人同士だけでしか繋がっていないのよ、という人もいます。自身のビジネスの拡大のために意識的に情報シェアのために使っている人もいます。
つまり、セオリーに正解はないのです。あるのは「自分にとって心地よい距離感を見つけて、保つ」というシンプルな行動のみ。
ふとこれ、現実の人間との関係に似ているな、と思いました。
心地よい距離感を見つけて、保つ。言うのは簡単だけれど、実はそうではいですよね。
心地よい人間関係をつくるために大人の女性がかけてきた時間と、使っている気持ちの総量は相当なものだ、と思います。その中には数々の失敗も含まれるでしょう。
意地を張りすぎて親友とケンカしてしまったこと。どうしてもと無理な人を追いかけてしまったこと。納得できなくて不毛な議論を続けてしまったこと。痛い思いを経験してきたからこそ、うまく飲みこみ、さらりとかわし、さりげなくケアする術を身につけてきたはずです。
見えない努力を日々積み重ねてきた結果の心地よい人間関係。その自分なりのセオリーをSNSにも応用すればいいのです。「怖いし面倒だから、SNSはまったくやっていない」という女性にもたまにお目にかかるけれど、とてももったいないと思うのです。
SNSはもはやリアルな社交空間。気持ちのいい場所にするもしないも自分次第でなんとでもできるはずだから。
それでも突っかかってくる人がいれば華麗にスルーすればいいのです。タイムラインを心地よいものにするのは、誰にも侵されてはならない「私の自由」ですから。
写真/池田美樹(編集部)