2021年02月26日

40代と50代で考えた、大人が取り入れたいファッションの最新キーワード|2021年2月の対談

東京で、強く、美しく、賢く働く40代以降の人のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」。2月の対談テーマは「ファッションのトレンド」。気になっているキーワードを元に2人で語り合ってみました。

菜穂子: 春めいてきましたね〜!

美樹: 近所に買い物に行くだけでもコートを脱いで出かけられるのは楽しいね。今年はなんだかファッションを楽しみたい気分!

菜穂子: 2020年は、外出自粛が続いたこともあり、洋服を全く買わなかったから。ファッションを楽しみたくなったのは実に2年ぶりですね(笑)。

美樹: 私は自粛期間中に12キロ痩せたので、新しい服を買いたくなったというのもあるかな。

菜穂子: おしゃれは、人の気分を明るくするから。不安な時こそ明るい色の洋服を着て、自分と周囲を明るくしたいですよね。

 

2021年、春の気になるキーワードは
圧倒的に「サステナブル」!

人・社会・自然環境に配慮した素材で作る「HASUNA(ハスナ)」の片ピアス。

美樹: 今、ファッション業界の最大のキーワードは「サステナブル」だよね。

菜穂子: すごい来てますよね。個人的にも気になってるテーマ。サステナブルは「持続可能な」という意味ですね。

美樹: 今までのファッション業界は「サステナブル」とはほど遠かったからね。

菜穂子: 2019年ぐらいまでは、一部の知的で先鋭的なブランドの取り組み、という感じがしていましたが、2020年の春ぐらいからは、もうあらゆるブランドが「サステナブルな商品」を発売し始めた印象。

美樹: そもそもファッション業界といえば、シーズンごとのデザイン、大量生産・大量消費、ファストファッション……。

菜穂子: SDGsへの取り組みが社会的に必要とされていて、ファッション業界も今、急ピッチで頑張ってますよね。

美樹: あと、実際に消費者がそれを求めるようになってきたよね。

菜穂子: わかります。20代の子たちの「サステナブル」への興味関心すごいなと思います。

美樹: 若い頃は草木染めの服を着るようなおばさんにはなりたくない、と思っていたんだけど……(笑)。

菜穂子: ちょっとわかる(苦笑)。「エコ」という言葉が流行ったのは20年ぐらい前でしょうか。今の若い子達とは、意識がグッと変わりましたね。
 
美樹: 私は今、たとえば「食品廃棄物で染めたオーガニックコットン」に惹かれたりしてる。FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)というプロジェクトなんだけど。パープル系の染料には「BLUEBERRY(ブルーベリー)」、ブラウン系には「ROOIBOS(ルイボス)」といった食品の名前がついていてかわいい。

菜穂子: 世界中で、食品ロスが増加していることをファッションで解決しようとしているプロジェクトなんですね。面白い。繊維商社の豊島(とよしま)が主催しているんだ。初めて知りました。

美樹: ほかには、人・社会・自然環境に配慮した素材で作る「HASUNA(ハスナ)」のジュエリーや、動物性素材を一切使用しない「FUMIKODA(フミコダ)」のバッグも愛用しているんだけど、どちらもはっきりと「エシカル」と謳っているんだよね。エシカルは「倫理的な」「道徳上の」という意味です。

菜穂子: 私は、先日「Desigual(デシグアル)」というスペインのお気に入りブランドでブラウスを試着したんですね。最初は「デザインがいいな」と普通に手に取ったブラウスですが、タグをよく見たら、100%リサイクルファイバーから作られていると書かれていて、びっくりしました。買う理由になりましたね。

100%リサイクル繊維から作られた「Desigual(デシグアル)」のブラウス。

美樹: たまたま手に取ったらそれがリサイクルファイバーというところまで来てるんだ! 好きなデザインがエシカル素材だとより嬉しいよね。

菜穂子: 地球の持続可能性に配慮した生き方を志している人からすると、本当に軽いレベルの話かもしれないけど。どうせ買うなら「サステナブルな方」「エシカルな方」という選び方は、自分の中に定着してきた感じはします。

美樹: 小さなことでもいいから、できることからやればいいよね。

菜穂子: あ、そういえばこの対談で、「サステナブル」と「エシカル」、2つの言葉が混在していますね。

美樹: 「エシカル」というキーワード自体はあまり大きくは広まらず、静かに定着してきた感じ。「サステナブル」というキーワードがSDGsとコロナ自粛の流れで最近、一気に出てきた印象だよね。

 

お仕事着のトレンドは
ホームウエア+フォーマル=「ホーマル」

菜穂子: 私が今年、気になった言葉は「ホーマル」です。

美樹: え、なになに? 初めて聞いた。ホー…?

菜穂子: ホームウエア+フォーマルで、「ホーマル」というそうです。コロナ禍に生まれた新語ですね。つまり外出しなくなった今、家でリラックスしながらも、Zoom会議ではきちんと見えるようなファッションのことです。

美樹: へえー、おもしろい!

菜穂子: 私、昨年秋からこの春までずっと、ニットのロング・プリーツスカートをすごく愛用していました。家の中で、座って仕事をしていても足元が暖かいし、ニットだから身体にフィットしてキツくない。

美樹: なるほど、膝掛けを腰に巻いているような感じ?

菜穂子: そうなんですよ(笑)。それで、たまに宅配便を受け取ったり、近所に買い物に出かける時は、流行のロング・プリーツスカートとして、重めシルエットでおしゃれにまとめられる。私にとって、このアイテムがまさに「ホーマルウェア」でしたね。

美樹: えー私も欲しくなってきた!

リモートワーク中は暖かく身体を包み、外出時はこなれた印象。

菜穂子: 「ホーマル」は、単なる「リラックスウェア」とは違うんです。例えばパーカとかTシャツ、デニムは「フォーマル」ではない。単なる「リラックスウェア」でしょう。

美樹: うんうん。「カジュアル」だよね。

菜穂子: 「ホーマル」は、家の中で来ていて着心地がいいけど「フォーマル」のニュアンスも大事なんです。例えば春は、なるべく着心地のいいやわらかなブラウスに、華やかなネックレやスカーフを合わせたいな。それなら、自宅でラクに過ごせつつ、Zoom会議では上半身がしっかり上質に見えます。

美樹: あ、最近、主にメンズ向けでスーツに見えるワークウェアも流行しているけれど、流れとしては同じニュアンスかも。きちんと見えながら、実は動きやすくて作業に向いているというウェアがいろいろ出てきているよね。

菜穂子: 確かに! アパレル業界による、技術的な工夫がいろいろありますね。

美樹: 企業努力を感じるよね。

菜穂子: あと、緊急事態が続くと、細いヒールの靴とか、壊れやすいアクセサリーなど、華奢(きゃしゃ)なアイテムを手放したくなりますねー。逆に「いざという時、走れる」とか「逃げられる」「壊れない」感じが、ファッションアイテムにも欲しいです。9.11の後も、3.11の後も、頑丈で骨太なアイテムが流行した印象があります。

美樹: 確かに、そういう世界的な大きな出来事とコレクションの思想は連動するよね。

菜穂子: 近年、スニーカーの流行が極まっているけど、今年のスニーカーはさらにゴツい。色、形ともに派手目で、ゴツさを強調したようなアイテムが印象的でした。

美樹: コロナ禍からも新しいファッションのスタイルが誕生するのはおもしろいし、強さを感じるな。

 

ただの白マスクはダサいだけ?
世界が楽しんでいるファッションマスク

食用に塩漬けして古くなってしまった桜を使い染めた「FOOD TEXTILE」のオーガニックコットン100%使用のマスク。

美樹: 昨年の春夏はみんな、いやいやマスクをしていたけど、秋冬くらいからマスクのファッション化も目立ったね。

菜穂子: 確かにー。原宿・表参道を歩いていると、普通の白いマスクをしている人が少ないぐらいかも。

美樹: すぐに「マスクに貼るシール」が出てきたかと思えば、「マスクピアス」や「マスクチェーン」なんかがどんどん出てきて、驚いたもの。少しでもおしゃれをして楽しく乗り切ろう、という気持ちが素敵だなと思ったよ。

菜穂子: 若い子は、圧倒的に「黒マスク」が多いかなあ。

美樹: 私は実は、機能とファッションを兼ね備えたオーストラリア発の「TECMASK」を長く愛用してたので、コロナ禍になってみなさんがまだ白マスクのうちからド派手な柄マスクをしてたよ(笑)残念ながら今は日本国内では手に入らないんだけど…。

菜穂子: うーん、私この話題にうといかも! なんの工夫もなく、不織布の白いマスクをドラッグストアで箱買いして、ずっとそれをしてました。まずいなあ。

美樹: 「エミリオ・プッチ」「マルニ」「3.1 フィリップ リム」などのファッションブランドも次々にマスクを発表したのよ。普通にファッションとしてイケてたし。

菜穂子: うわー、Googleで「白マスク」って検索すると、続いて「ダサい」って出てきますよ! あわわ!

美樹: 白マスクはダサさの象徴なの!?

菜穂子: そういえば、当団体理事の干場弓子さんも、シャネルのツイードのお洋服に合わせて、残布でマスクカバーを作っていらっしゃいました。おしゃれな人はそこまでこだわるんだなあと感服いたします。

美樹: 「ルイ・ヴィトン」がフェイスシールドを出した時には、ああ、ファッションってしたたかだな、と思ったんだよね。社会問題を取り込んで、昇華させて、独自に解釈して世に問うというそのあり方が。

菜穂子: いち早くそれをやるのは、カッコいいですよね。

美樹: よく考えると、ココ・シャネルも戦後、女性が社会進出し始めた時代にコルセットの必要ないシンプルで動きやすい洋服を提案して、ファッションでその後の女性の価値観を変えたんだもんね。

菜穂子: そうそう。第二次世界大戦後、世界の人口が爆発的に増え始め、洋服の「オートクチュール(オーダー)」が間に合わなくなり、既製服業界が急成長したという歴史もあります。ファッションはいつも人類の歴史とともにあるんですね。

美樹: 私の尊敬する女性でもある「コム・デ・ギャルソン」の創始者でありデザイナー、そして代表取締役社長でもある川久保玲さんは「私にとってデザイナーであることとビジネスウーマンであることは分けられません。私にとってはひとつで、同じ意味です」とおっしゃっていたのもすごく印象に残ってる。

菜穂子: それはよくわかります。そもそも「デザイン」は「課題を解決すること」ですから。

美樹: ファッションは、社会と分かちがたく連動してるんだなーと思うよね。

菜穂子: いつの時代も、社会の負の面を、ファッションが補おうとする。軽やかに課題を解決する。そういうクリエイティブな力が、ファッション業界にはあると感じます。

 

ファッションは社会と連動するもの、
そしてやはりビジネスでもある

美樹: 「人は、制服通りの人間になる」というのはナポレオンの言葉なんだけど、ファッションには相⼿に与える印象を変えるだけでなく、着る自分の気持ちも変える力があると思うなあ。

菜穂子: ありますよね。確かに制限が多い毎日だけど、コロナ禍ならではのファッションを楽しんじゃう、というのは、個人としてできる「突き抜け方」な気がしますね。

美樹: 楽しみながら社会と関わっていけるのも、ファッションの大きな力だよね!

Zoomだって気を抜かない! お気に入りファッションで対談しました。

左・編集長 池田美樹 Twitter
右・プロデューサー 守山菜穂子 Twitter


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