2021年02月23日

ガラスの天井を作っているのは誰?|弓子姐さんのSENSUAL 60’S への道

【弓子姐さんのSENSUAL 60’S への道 不定期連載①】

ガラスの天井を
作っているのは誰?

文・写真/ 干場弓子

 

センシュアル60‘sコーナー担当?として、この「Beautiful 40’s(ビューティフル・フォーティーズ)」に混ぜていただくにあたり、以前、参加した座談会の記事。そこで、30代なかばのときに、40になったら着られないからと、買うのをあきらめた、当時の私にとっては、ちょっと高価なミニのワンピのことを書いてもらいました。

ところが、あれから四半世紀、60歳を過ぎたいまもミニのワンピースやスカートを愛用している私がいます。そして毎年、冬になると思います。

 

ああ、あれ、可愛かった! 安かった!
あれ、買っておけばよかった! 

 

あのときの試着室の光景がいまもありありと目に浮かびます。

「あとせいぜい2、3年しか着られないから、やめておくわ」。

そう言うわたしに、「そうですか……」と、心から残念そうにしていた店員さんの表情もとともに……。

 

どうして買わなかったんだろう! 
だって、やっぱり、周囲の目が……。
そう、悪いのは周囲! 日本が遅れているからいけないんだわ!

 

実際、日本は(アメリカもですが)、ヨーロッパと比べて、男も女もロリコンというか、若さ至上主義の国です。いまだに、中高年の男性の多くは、自分を棚に上げて平気で「女は25歳まで」とか「35歳を過ぎたら女じゃない」とかのたまっているらしいですし(さすがに面と向かって言う人は数少ないし、いずれにしろ、そう言っておけば、同世代にも相手にされない自分と直面しないですむからだとは思いますが)、女性も女性で、「美魔女」の方々を嫉妬混じりにあきれて見ていたりしています。

ですから、ついつい、こちらも、30代も半ばを過ぎたころからは、そうした周囲の目を気にして、「いまさら」とか「もう遅いかな」とか思ってしまうわけです。

「だから、日本人は遅れてるのよ」とこぼしつつ……。

 

でも! ほんとうにそうなの?
 自分に制限を加えているのは、ほかでもない、自分自身では?

 

そのことに気づくのに、ずいぶん時間がかかってしまいました。

だから、「Beautiful 40’s」の後輩たちには、声を大にして言いたいのです。

 

自分が自分や他人に設けている「年齢制限」を外して!
自分でつくっているガラスの天井に気づいて、
さっさと壊しちゃいなさい!

 

だって、ミニスカートならまだいいんです。

もっと大事なこと、つまり、幸福とか成長に関係することを、歳のせいにして、あきらめているんだとしたら、それってあんまりにももったいない。

50はもちろん、65を過ぎて、留学している人、75過ぎて、大学院に行っている人だっています。再婚・結婚している人だっています。シャネルが復活したのは、74歳です。

女子大の講演などをやらせていただくときには、必ず、次の言葉で締めくくりますが、同じ言葉を、Beautiful 40”sのみなさんに、いや、自分自身に捧げたい。

 

Girls , Be Ambitious !

 

と言いつつ、やっぱり、いまさら、豊乳手術は、もう遅いよね、と年のせいにしてあきらめている干場です(笑)。

 

他人に対する「年齢制限」も外す

それにしても、なんで、ついつい、「まあ、あの人ったら、いい歳して……」なんて思ったり、言ったりしちゃんでしょうね。自分も含めて。

 

それって、やっぱり、嫉妬ですよね。

 

この嫉妬、赤の他人に対してならまだしも、友人とか、姉妹とか、母が娘にとかの場合も多いから実にやっかい。夫が妻に言う場合もある(成功しているキャリア女性の離婚の理由の多くはこれだとか?)。

 

自分もほんとうはそうやって「年甲斐のない」こと、
したいのにできない。

 

だから、自分と同じ次元に引きずり下ろそうと足を引っ張るわけです。

そうでなかったら、他人がどうしようと、所詮(しょせん)他人事ですから、本来どうでもいいはずです。というか、そもそも目に入らない。人間というのは、自分に危害を与えるものでなければ排除しようとはしないものだからですね。

(つまり、足を引っ張る人は、危害を感じている、ということ!? 自分ができないことをやっている人が周りにいることによるアイデンティティの揺らぎという危害!?  他人事にすぎない有名人の不倫に大騒動するのも、同じ心理でしょうか??)

となると、わたしたちが、自分への年齢制限を外して、いまからでもこうしたいな、ということをするというのは、他者貢献でもある!

だって、そうすれば、そのことに対する他人への年齢制限もしなくなりますから。

そのことで他人の足を引っ張ったりしなくなりますから。

そうやって、ひとつずつ、ひとりずつ、自分と互いへの年齢制限を取っ払っていけたら、人生はいくつになってもかなり楽しいものになるんじゃないかな、と思います。

なんて、偉そうのたまわっておりますが、はい、まずは、私自身からです。

 

パリの教会では、70代、80代の結婚式も珍しくないと、パリ在住の日本人女性に聞いたことがありますが、私が知らなかっただけで、日本でもそうした年齢のマッチングサイト、結構需要があるそうです。

かつては結婚していた人も、これまで一度もしていない人も、もし、したいのなら、あるいは、別に結婚は望まなくても、もう一度、あのときめきを味わいたい、あるいはときめいてしまった! どうしよう! そう思うのなら、もう歳だから、という理由であきらめないでください。周囲のやめなさい、という声に惑わされないでください。

 

どうせ、嫉妬ですから。

 

そう! だって、私だって、結婚していなければ、そうしたい!! チクショー。悔しい!?

だから、私の目も気にしないでください。

 

そして、もちろん、もしそういうお友だちがいたら、嫉妬から邪魔しないようにしましょうね、お互い。

 

だって、そんなことしてたら、ますます老けちゃうもん!

 

干場弓子
Yumiko Hoshiba

1955年生まれ、名古屋出身、お茶の水女子大学卒業後、世界文化社に入社。雑誌『家庭画報』編集部ファッション班を経て、渡米。1984年、29歳のとき出版社「ディスカヴァー・トゥエンティワン」を共同創業し、社長に就任。同社を「取次を通さない直取引で日本随一の出版社」に育て上げ、勝間和代氏ら多くのビジネス系ベストセラー作家を発掘・育成する。2020年に同社を退任し、現在は執筆、講演、企業の顧問・文章指導などで活躍。同年、第6回プラチナエイジストファッション部門を受賞。一般社団法人ビューティフル・フォーティーズ 理事。著書に『楽しくなければ仕事じゃない』(東洋経済新報社 刊)。

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