2021年04月21日

クリスタル・ケイさん初のカバーアルバム「I SING」発売記念インタビュー 「誰もが知っている曲達だから、ちゃんと思いを届けたい」


デビュー21年目にして、キャリア初となるカバーアルバム『I SING』を発売したクリスタル・ケイさん。平成初期から令和にかけての30年の中から選ばれた誰もが知る12曲は、彼女の新たな魅力が発見できる珠玉のナンバー揃いです。デビュー以来ずっと歌声を聞き続けている編集長・池田美樹がインタビューしました。

 

初のカバーアルバムでシンガーとしての自分を再発見

池田美樹(以下池田): 35歳、おめでとうございます!(編集部註・2021年2月26日がクリスタル・ケイさんの誕生日)

クリスタル・ケイさん(以下)CK: ありがとうございます! アラフォーだ!

池田: 21年目にして初のカバーアルバムの発売、おめでとうございます。特別な機会に作りたいとおっしゃっていましたが、今回はどんな特別な機会だったのでしょう。

CK: ちょっと過ぎちゃったんですけれど、20周年だったらやる意味があるなと思いました。それまでは、何か大きいセレブレーションとかスペシャルなことがない限り、カバーアルバムってどうなんだろうと思ってて。いいタイミングが来るまでは出したくないと思っていたんですよ。ライブではカバーコーナーで邦楽、洋楽、アニソンとかも歌っているんですけど、好評でみんな喜んでくれてたから、20周年だったらいいだろう、と、作ることを決めました。

池田: 今回、平成初期から令和まで30年という長い期間から、日本語の曲ばかりを選んでいったのはなぜですか?

CK: 幅広い世代の人に聞いて楽しんでいただけるアルバムにしたかったんです。私もその時代の曲で育っていますし。日本語の曲にした理由は、洋楽だとあんまりおもしろくなさそうだと思ったんです。やっぱり日本語の歌の方が意味があると思って。

池田: ファンの方の投票で曲を選んでいったんですよね。

CK: はい。何を歌えばいいかというスタート地点が大変でした。まずは聴いてもらう人に尋ねるのが一番だと思って、InstagramとかTwitterで聞いたらすごい数のリクエストがあって。ユニバーサル・ミュージックの人にも何を歌えばいいと思うか聞いてみました。それらを全部、聞きながら選んでいったんですけど、歌ってみないとわからないよね、ということになりまして。スタジオに入って、ピアノの人とワンコーラスずつ歌っていきました。そこで、なんとなく合わないねとか、これけっこういいじゃん、という発見をしながら決めていきました。

池田: 例えばどんな発見がありましたか?

CK: 女性の曲より男性の曲のほうが、男の人目線から歌うというところで既に違いが出せるというところですね。キーも変わりますし。あと、私が「おじさん」の曲を歌うとすごく合うという発見がありました。

池田: そうなんですね! たとえばどの曲に感じられましたか?

CK: 『歌うたいのバラッド』『One more time, One more chance』『白い恋人達』などですね。なんか、こういう「女々しい」感じが私の声に合うのかも、と言われました。男の人の歌の方が女々しかったりしますしね(笑)

池田: 私にとってもその3曲は、リスナーとしてクリスタル・ケイさんの魅力を新しく発見する曲でした。カバーを歌うに当たって一番大切にしたことは何でしたか?

CK: オリジナルが持っている世界観と歌詞とメロディを、ちゃんと伝えられるかということですね。誰もが知っている曲達だから、ちゃんと思いが届けられるようにしたかった。アレンジも、その3つが胸にスッと届くようにできるだけシンプルにするようこだわりました。

池田: 確かに私も、すべて知っている曲なんですが、今回クリスタル・ケイさんの歌で「あ、ここでこんな歌詞を歌ってたんだ!」という発見がありました。

CK: 効いてるんだ! 良かった。うれしいです。

 

オリジナルの世界観と歌詞とメロディをしっかり届けたい

池田: あえて様々なプロデューサーと組まれた理由は? これだけ様々な曲を収録するに当たって、全体の世界観を統一するには通常だとおひとりのプロデュサーと組まれるものかと思っていました。

CK: せっかくいろんなタイプの曲を選んだので、いろんないい味を違う風に楽しんで欲しいという思いからです。これだけ多くのプロデューサーの方とお仕事できて、すごくぜいたくでした。

池田: 昨年から3曲が先行配信されています(編集部註・『3月9日』『歌うたいのバラッド』『I LOVE…』)。リスナーの反応はいかがですか。

CK: 「クリスタル・ケイの曲になってる!」と言われるのがうれしいですね。あと、スーッと入ってくる、というコメントも多かった。『I LOVE…』は意外だったと言われました。Official髭男dismの曲をカバーするのは私が初めてなんですよ。

池田: 特に思い入れのあるレコーディングとなった曲はどれですか?

CK: 『I LOVE…』もそうですし、『なんでもないや』はストリングスのアレンジで泣いちゃいました。すごく手のかかったストリングスで。ストリングスの録音の時もお邪魔して聞いていて、めちゃ感動して涙が出ました。歌のレコーディングは、やっぱりちょっと緊張しましたね。歌詞をしっかり噛み砕いて理解するようにして、オリジナルへのリスペクトが伝わるように歌いました。

池田: アレンジに関して特に意識したことは?

CK: オリジナルの世界観と歌詞とメロディがしっかり届けられるということと、そこにクリスタル・ケイの味付けがちゃんと入っているということです。かなり綿密にプロデューサーの人たちと会って話しました。

池田: アルバムは、どんな人にどんな風に聴いてほしいですか?

CK: リスナーさんからは、せつないんだけど明るいよねという声が多かったんですね。それがすごくうれしかった。だから、けっこうせつない曲も入っているんですけれど、気分を晴らしたい時とかちょっとブーストが必要だなという時に聴いてもらいたいですね。

 

マインドとボディのいいバランスを目指して

池田: Instagramで、40代、50代の時に理想の自分になるためにボディメイクを今からがんばっているとおっしゃってましたね。どういうボディメイクを心がけていらっしゃるか少し詳しく教えてください。

CK: どの角度から見てもいい感じの体型を保っていたいんです。そのためには、このぐらいすればこうなる、こうしたらこうなるという基準を持っておいたほうがいいなと思って。苦労しなくても常にこのエリア内にはいられるようにというデフォルトの体型を作りたいと思っています。

池田: 具体的にはどんなことを?

CK: 毎日、16時間ファスティングをやっているんです。朝は食べないで、白湯を飲んでいます。お昼は13時くらい、夜は20時くらいまでに食べて、あとは16時間食べない。それが自分の身体に合うのを発見して、普通の食のリズムになっています。やっとそういうルーティンができてきました。

池田: もっと若い頃はそうじゃなかった。

CK: なかったです(笑) 若い頃は、飲んでも食べても明日には元に戻ってるでしょ、みたいなメンタリティでした。でも実際にはそうじゃなくなってきて、こういうことをするとこんな風になっちゃうんだ、とだんだんわかってくる。でも自分でリズムを作っておけばコントロールできて、その方が楽だなと最近わかってきました。

池田: 素晴らしいです!

CK: でも、自分に合う方法がわかるまで時間はかかりますよね。自分の正解にたどり着くまでは。そういう意味ではまだ始まったばかりですけれど。

池田:「マインドもボディもいいバランスでいられるところに到達したい」ともおっしゃっていますね。

CK: 全部つながっていると思うんですよ。気分が悪いときとか落ち込んでいる時には歩いたり運動したりすると、もちろん身体にもいいし、マインドもクリアになる。相乗効果なのかなと。心と身体のバランスって大切なんだなと感じます。

 

やがて来る40代、何よりも楽しんでいたい

池田: 「ALL FOUR ONEプロジェクト」(編集部註・新型コロナウイルスの影響で様々な活動が自粛を余儀なくされる中、『何か人のためにできることはないか』というシンガーソングライターのUKICOからの発案で、CrystalKay、 すみれ、TIGARAHの4人で立ち上げたメンタルヘルスをサポートするプロジェクト)でメンタルヘルスの重要性にも触れていらっしゃいますね。

CK: 私達は専門家ではないんですけれど、音楽で人を元気にしたりつなぐことができます。また、メンタルヘルスの問題が存在しているし、問題を抱えていることを恥だと思わなくていいよ、ということを伝えたいなと思っています。

最近、インスタライブでもそういう話をよくするんですけれど、答えってないじゃないですか。どうやって抜け出せるかは人それぞれだし、時間もかかるかもしれない。でも、とりあえず外に出て歩いてみるとか、ストレッチや運動をしてみたりすると、答えはなくてもちょっとスッキリしますよね。

池田: 「あなたはひとりじゃない」というメッセージが心に沁みました。

CK: 日本人の国民性もあると思うんですけれど、あまりメンタルヘルスについて語り合わないですよね。「ALL FOUR ONEプロジェクト」の収益は一般社団法人『日本いのちの電話連盟』へ全額寄付するんですけれど、「いのちの電話」というようなサポートシステムがあることについても、みんなあまり意識していないんじゃないかと思うんです。

自分の中で抱え込むんじゃなくて、勇気を出してサポートシステムに相談したりしてもらいたいなと思います。あと、メンタルヘルスの問題をタブーにしない。そういう方向にもっといけばいいのになと思います。インスタライブでも、気軽にしゃべってディスカッションする場を作っていって、それが何かにつながったらうれしいなと思っています。

池田: 最後に、5年後に40代になられますが、クリスタル・ケイさんにとって40代とはどんなイメージでしょうか。また、40代や50代をこんな風に生きていきたいということを教えてください。

CK: 実は去年、計算をしちゃって。15年後には50歳だなって。15年前は20歳だったのに15年後は50歳!? って(笑)。不思議です。今ちょうどその真ん中にいるということですよね。歌はずっと続けていくんですけれど、40歳までに、キャリア的にもある程度、ああ、自分はがんばったなと思えるところにいきたいですね。あとは、ミュージカルとか映画などにも挑戦していきたいです。日本だけじゃなくて、世界で何らかの形でパフォーマンスをやりたいですね。日本と世界をつなげればうれしいです。何よりも、楽しんでいたいですね。

クリスタル・ケイ プロフィール:1999年「Eternal Memories」でデビュー。「Boyfriend -partⅡ-」「恋におちたら」などのヒット曲で⼤ブレイク。2015年にCrystal Kay feat. 安室奈美恵「REVOLUTION」、「何度でも」(フジテレビ系⽊曜劇場『オトナ⼥⼦』挿⼊歌)を含むロングヒットアルバム『Shine』のリリース後も、LIVEなど精⼒的な活動を続けている。2019年、アーティスト活動20周年を迎え、トニー賞4部⾨受賞のブロードウェイミュージカル「PIPPIN」の⽇本版にも出演。読売演劇⼤賞優秀⼥優賞を受賞。2021年4月21日、キャリア初となる待望のカバーアルバム「I SING」をリリース。

<Crystal Kayインフォメーション>https://www.universal-music.co.jp/crystal-kay/

Photographs 鈴木智哉(キリンニジイロ)
Hair & Make HAYATO TAKEDA (PUENTE inc.)
Stylist NARUMI OKAMURA

衣装/TENDER PERSON、H>FRACTALⓇ、DUALISM、IF8

 

アルバムリリース情報

Crystal Kay 1st Cover Album「I SING」
2020年4⽉21⽇(⽔)発売
品番:UICV-1113
価格:2,727円(税抜) / 3,000円(税込)
収録楽曲:全13曲

収録曲:※( ) 内はオリジナル・アーティスト
1. 楓(スピッツ)
2. ただ…逢いたくて(EXILE)
3. 3⽉9⽇(レミオロメン)
4. I LOVE… (Official髭男dism)
5. なんでもないや(movie ver.) (RADWIMPS)
6. すき(DREAMS COME TRUE)
7. 天体観測(BUMP OF CHICKEN)
8. 瞳をとじて(平井堅) [作詞・作曲: 平井堅]
9. 歌うたいのバラッド(⻫藤和義)
10. サウダージ(ポルノグラフィティ)
11. One more time, One more chance (⼭崎まさよし)
12. ⽩い恋⼈達(桑⽥佳祐)
13. I LOVE… (Uptempo Ver.) (Official髭男dism)


2021年04月21日 Posted by miki | カテゴリー: Culture | タグ: ,

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