2019年08月16日

あの時、誰かに頼ることができていれば〜30代の自分に後悔していること

文・写真/池田美樹

徹夜も厭わず
がむしゃらに仕事をした


7月はピースボートに乗っていたので、いつも3人でおこなう座談会ができず守山菜穂子さんと及川恵利さんの2人で対談をしてもらいました。内容は「30代の自分に後悔していること」。

対談は一読者としてとても面白く「30代の時に読みたかった!」と思う内容でしたので、ぜひ本編を読んでいただくとして、さて、私が30代の自分に後悔していることは何だろうと考えてみました。

30代といえば、当時勤務していた出版社で某雑誌の副編集長を務めていた時期。当時は雑誌に「編集タイアップ」という、いわゆる記事広告が多く入っていた時期で、その担当は副編集長ということになっていました。

1号につき数本制作するくらいならまだなんとかなるのですが、10数本の制作依頼が入ったこともあります。それぞれ違うクライアントとやり取りをしながら過酷なスケジュールをこなし、帰宅は午前様どころか朝になることも珍しくない日々もありました。

ある日、デスクに座っていると、悲しくもなんともないのにじわりと涙があふれてきました。一度出てしまうと、次から次にあふれ出てきて止められません。なんだ、どうしたんだ、私。

今から考えると、あれは多忙によるストレスだったのでしょう。睡眠不足と、時折襲ってくる涙と戦いながら、無理をして日々の仕事をこなしていたのでした。

「30代の頃は徹夜も厭わずがむしゃらに仕事をした」ということをまるで美談のように語ったこともありましたが、よく考えるとその時の私はストレスまみれ。美しく果敢な思い出として済ませていいはずはなく、ましてや若い女性達に「だからあなたも30代は必死にやりなさい」とは、勘違いもはなはだしいのではないか。

体力も気力も充実している30代に必死にやりすぎるとどうなるか? そう、その後、無理をしたツケが出てしまうのです。私の場合は、離婚して、子どもをつくるという機会を結果的に失ってしまったこと、常にオーバーワークですべてが中途半端になり、思ったようなパフォーマンスが出せなかったことなどがあります。

結果的に、その部署から出されるということになりました。

 

一瞬、一瞬の
選択を大切に


とある研究によると、日本人は「仕事」に自らの幸、不幸を重ねやすいのだとか。キャリアを形成しつつあり、しっかりと自分をもっているBeautiful 40’sの読者のみなさんも、きっと仕事と自分は切り離せないものだと感じているでしょう。私もそうだったため、悩んで悩んで悩み抜きました。

仕事もプライベートも、すべてを華麗にこなすスーパーウーマンの姿ばかりがマスコミに登場します。どうして私はあの人たちのようになれないのだろうと苦しみました。けれど、今だから言えるのですが、彼女たちは多くの女性達のうちほんの一部なのだということを知っておく方がいいと思います。

今、もしあの頃のがむしゃらな自分に声をかけるとしたら、「無理をしすぎず、自分のできる範囲でベストを尽くそう」と言いたい。そのためにはどうすればいいか。答えは「人に頼る」ことです。

あの頃の私は、すべてを自分だけでやろうとただ必死でした。人の手を借りることが恥だと思っていたのです。でも、できないことはできないのです。助けを求めることは決してあなたのマイナスにはなりません。

頼る相手は、上司でも先輩でも同僚でもいいですし、友人でもいい。また、たとえば社外のプロや、あるいはメンタルを助けてくれるカウンセラーだっていいのです。

私はよく「『私らしさ』なんて、探したってどこにもない」ということを言います。「私」は一瞬、一瞬の選択を繰り返してきた「結果」なのです。そう考えたら、大切な自分の一瞬、一瞬を大切にしようと思いませんか? その結果が「私」なのだとしたら、誇りをもって受け入れられると思いませんか?

あなたの30代が、少しでも悔いのないようなものになることを、そして私達先輩が、少しでもあなたの頼りになることを願っています。


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