2019年04月02日

熊谷美雪のマチュアな女性(ひと)と、コーヒーを vol.2


マチュア【mature】
[形動]1成熟したさま。円熟したさま。大人の。「マチュアな魅力をもつ女優」
    2(果物などが)熟したさま。(ぶどう酒やチーズなどが)熟したさま。
     -デジタル大辞典より

 

マチュアな女性(ひと)と、
コーヒーを vol.2

年齢や環境にとらわれることなく、自分らしい生き方、働き方を楽しんでいる大人の女性から、今、迷いの中にいる妹世代に送るメッセージ。

25年勤務した会社を47歳で退職し独立し、人生の質を高める働き方を提唱する筆者、ビジネスステージアップコンサルタント 熊谷美雪がお話を伺います。

今回のゲストは、「日本ハグ協会」代表の高木さと子さん。「ハグ」と「コミュニケーション」を合わせ、「人が人を活かす」ためのコミュニケーション「ハグニケーション」という概念を開発。その普及に励み、メディア等でもご活躍です。一方で、経営者向けのコーチング、企業研修、講演での全国を飛び回り、私生活では二人のイケメンのお母さんでもあります。

 

「日本ハグ協会」代表の高木さと子さん

 

美雪 :日本ハグ協会の活動が10年になると伺いました。どんな活動をされているんですか?

さと子:はい、2009年にスタートした日本ハグ協会ですが、「一番近くの大切な人を抱きしめよう」「一番近くの大切な人を大切にしよう」いう、最も重要なのに実は難しかったりすることを、面白おかしく、でも大マジメに啓発しています。

「ハグ」を実践する人を増やし、身近なところから世の中を良くしていこうという社会活動です。ハグの文化のない日本人に親しんでもらえるよう「ハグ+コミュニケーション」で「ハグニケーション」と名付けました。

「ハグ」だけではなく、「ほほえむ、挨拶する、ほめる、認める、握手する」といった、人を励まし勇気付けるための愛情や親愛の気持を、言葉や表情、行動で示すことを推奨しています。相手の行動を後押ししたり、自立を支援する外発的関わり方も含めて、ハグニケーションと呼んているんです。

美雪 :楽しいイベントも多いですよね。

さと子:そうですね。「日本流ハグの作法」「ハグ48手」「ハグダンス」などを講演やイベントなどでお伝えしています。楽しくて、わかりやすい普及活動を心がけています。

美雪 :なぜ、ハグ協会を始めたのですか?

さと子:きっかけは、夫のガン闘病中のある気づきからでした。1年半の闘病を経て夫を見送ってから、2019年で10年になります。働き盛りの夫への、突然の末期ガンの宣告。その時心に決めたのは「どんなことがあっても家族の太陽となろう。笑顔でいよう、そしてもう一度家族にハグしよう!」だったのです。当時は何か根拠があったわけではないのだけどね。

なのに、ある朝突然、息子たちは両手を広げる母をスルーするようになってしまって。思春期だったんですね。それでも手を広げ続けると4日目の朝、次男が飛び込んできてくれた。そして、その後、長男も。

美雪 :気持ちが伝わったのですね。

さと子:そうですね。でも、ある朝、病院で夫をハグすると「痛い……」といわれてしまって。「もう愛する夫を思いっきり抱きしめることもできないんだ……」、そう思った時「生きているからこそ、ハグすることができる。そこにいてくれるからこそ、愛してるよ、ありがとう、って言葉のハグを伝えることができる」。そう強く思ったんです。そうて、このことを人生をかけて伝えていこうと思いました。

ハグで子育てをし、ハグの素晴らしさを伝え続けるうち、喜びの声もたくさん届くようになったんですよ。

 

美雪 :キャラクターマスコットの「はぐよちゃん」、可愛いですよね。

さと子:初めの頃、ハグをしている写真をブログなどにアップしようとしたんです。でも、日本人のぎこちないハグは、なかなか爽やかなイメージにならなくて。

「ハグっていいな、楽しそう。私もしてみたいな」そんな風に思ってもらうにはどうしようって考えて思いついたのが、キャラクターを作ることでした。キャラクターにハグしてもらえばいいんだ!って(笑)

私の世界観を一枚の絵にして、イメージを画伯のかめろうさんと何度も打ち合わせして、くまのキャラクター「はぐよ」が生まれたんです。そこに居てくれるだけで安心で力が湧いてくる。そんな母のような存在になってくれたらと思い、ちょっと昭和な感じの「はぐよ」という名前にしました。

 

美雪 :はぐよちゃんは大活躍?

さと子: 協会を立ち上げて一年目に「はぐよ日本縦断の旅」をやったんです。一体のぬいぐるみ「はぐよ」が、人から人へハグのリレーをしながら、日本を縦断してきてくれて、一気にたくさんの仲間が増え、全国に絆ができました。これには感激でした。

世界観を絵にしたり、キャラクターを作ったり、ハグのダンスを踊ったりハグスポットを決めて紹介したりしているのも、「クスっ」としてもらえれば、みんなやりやすいかなと思ったからです。今ではみんな笑いながらやってくれるので、嬉しいですね。

美雪 :笑いながらできたら、ハグに不慣れな人でも、恥ずかしさが軽減されますね!

さと子: あと、最近の研究で、ハグをするとストレスが下がり、免疫力が上がり、風邪などをひきにくくなると言われているようです。脳から出るとされるオキシトシンは「幸せホルモン」と呼ばれて、アンチエイジングや、心の安定にも効果があると言われていますしね。実際に触れなくても、目を合わせて微笑む、声をかける、こうした心のハグも是非やって欲しいな。

最近は、出張の際に延泊して、ハグスポット探しもしているんですよ。「はぐよ日本縦断の旅」という名前で、公式サイトににアップしています。

 

自分とひとを幸せにする
コミュニケーションの伝道師として

美雪 :さと子さんの、本業を教えてください。

さと子:人と組織を強くする人材育成です。経営者向けのコーチング、研修を通して、人に関する問題課題を解決する仕事をしています。弊社のミッションは「働く人の幸せをつくる」です。

美雪 :心がけていることはありますか?

さと子:20年やってきて、企業経営で1番大事なのはトップの心構えだということを痛感しています。

「あなたは、何を望んでいるのか?」「会社をどうしたいのか?」「そのことにトップ自らどれくらいコミットしているのか?」「その思いを社員に伝えていく方法はあるのか?」……こういうことを、経営陣や、マネジメント層から伺い、組織づくりのお手伝いをさせていただいています。クライアントに質問する傍ら、自分自身も常に意識するよう心がけていますね。

 

美雪 :何をしている時が楽しいですか?

さと子:仕事が終わってからその土地の美味しいものを食べに行ったり、延泊したりできることかな。子供が小さい時は、仕事で地方に行ってもとんぼ帰りしていたのが、今はもう大きくなってその必要がないので。

まだ知らないことを見たり、聞いたりすることにすご興味があるんですよね。この間は、ふと思いついて、世界遺産検定の4級を取ったの。

美雪 :へー、面白いですね。

さと子:こんなに美しいものや景色が、まだ日本にいっぱいあったんだと。建物の造形美とかを見るのも、すごく楽しい。

美雪 :つらいことってありますか。

さと子:仕事? プライベート?

美雪 :どちらでも(笑)

さと子:プライベートだと、 休みの日のお昼に、ふと「おそばが食べたいなー」とか思った時に、スッピンで一緒に食べに行ってくれるパートナーがいないこと。

美雪 :気を使わずにいられる相手?

さと子:そうかな。いつも一緒にいて欲しい訳ではないのだけどね。

 

生み出す側になって欲しい

美雪:今、自分の未来が見えないと悩んでいる女性にメッセージをお願いします。

さと子:確かに以前より、先が見えづらくなっていると思っています。今は経営者ですら、2年先のビジョンも見えないと苦しんでる。

美雪 :世界の進みかたが早いですからね。

さと子:ちょっと前にはなかった新しい商品やサービスが、どんどん生まれてきているでしょ。だからそれを「待つ人」ではなく、何かを「生み出す側の人」になってと私は言っています。

美雪 :どうすれば「生み出す側の人」になれるでしょう?

さと子:知識や経験はもちろんだけど、恐れないでチャレンジすることが大事。そうして「失敗すること」が一番、意味がある。どれだけ膝をすりむけるかなって。痛いんだけどね。私は30代の時は「まだ大丈夫」「いつかやればいい」「そのうちできる」と思っていて、今、振り返るともったいない時間の使い方をしてたなと思うんです。

50代になってもやれることはたくさんありますよ。でも、感性の瑞々しさは違うということが、今はわかるんだよね。

 

美雪 :体力が落ちるのは実感するけど、感受性が鈍っていることには気づきにくいですね。

さと子:恋愛も仕事も遊びも、疲れることもあるだろうけど、死ぬほどやった方がいいと思う。私は40代前半は、ものすごく突っ走ったの。自分が徹底的にこれをやるって決めて、宣言して、言いまくりながら動いていった。そうしたら情報も人も、全部が集まってきた。こういう状態を「フロー(Flow)」と言うんだけど、フロー体験、すごく楽しいんだよね。私自身がそういう体験をしたことがあったので、迷っている人には、どんどん走ってほしいなと。

美雪 :一心不乱にやってみるという感じですね。

さと子:仕事に限らず、友達を大事にすることや旅に行くこと、目の前のことでいいから何か1つ決めて、真剣に取り組む。それができたら、将来、宝になると思う。仕事を楽しくしたいなら、周りをあてにするのではなく、まず自分ができることからやってみればいいしね。

美雪 :「自分ごと」にするんですね。

さと子:そうそう。難しいことではなくていいんですよ。「これ3時までやって」と言われたとき、「忙しいのに嫌だな」と思うだけなら何も生まれないけど、「じゃあ、2時までに仕上げよう」と思えたら「自分ごと」なんだよね。そんなふうに主体的に捉えられると、仕事も楽しくなるんです。

美雪 :確かにそうですね! 今日はありがとうございました。

 

高木さと子さん Satoko Takagi
株式会社 ハグケーションズ 代表取締役 http://hugnications.co.jp
日本ハグ協会 会長 http://hug.sc

愛知淑徳短期大学卒業後、東芝テックでの支社長秘書を経て美容業界へ。所属の店舗の売り上げ全国上位獲得の記録は今でも伝説とされている。この経験から、マネジメントにおけるコミュニケーションの重要性に気づき、コーチング、心理学、メンターとしての生き方などを学ぶ。2003年に講師として起業。人と組織を強くする自律型人材の育成、社内風土改革の社員教育が好評で、人に関する課題解決のアイディアには定評がある。

2009年には日本ハグ協会を設立。「ハグスポット」「ハグダンス」などの斬新なアイディアがマスコミでも評判となり、企業や映画配給会社から、商品・作品の協会認定の依頼が相次ぐ。

講演や研修に年間4,800人が参加する人気講師。企業と家庭の両面から社会を良くしていこうと活動する世界に、ハグのマインドを吹き込んでいく平成のマザー。2016年に著書「ありのままでいいよ、が一瞬で伝わるハグする習慣」(コスモ21)を出版。
Facebook https://www.facebook.com/takagisatoko

 

こんなに近くにいるのに
気持ちが伝わらないのはなぜ?
「ありのままでいいよ」が一瞬で伝わる
ハグする習慣(高木さと子 著)

 

 

インタビュアー
熊谷 美雪 Miyuki Kumagai
ビジネスステージアップコンサルタント

「サービスや人の価値を響く言葉で表現すること」「アイディアを商品化すること」「仕事の仕組み化」を得意とする。
独立前は外資系企業に25年勤務。プロジェクトコーディネーター・管理職として多忙な日々を過ごすも、40代に入りあまりの多忙さに身も心も疲弊。「このまま年を重ね、後悔したくない」との思いにかられ、47歳で独立。
全ての女性に、一度きりの人生を濃く感動して過ごして欲しいと、人生の質を上げる働き方を実現してもらうべく、日々コンサルティングに励む。
推理小説とカフェ、宮古島でボーっとするのが好き。
ネクストステージラボ 代表 
NPO法人 しごとのみらい 理事

公式サイト:
週4ワークで人生の質を高める働きかた
https://kumagaimiyuki.com

Instagram:@Miyuki_Kumagai_
twitter:@tropicalislands2
Facebook:https://www.facebook.com/miyuki.kumagai1


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