2019年02月26日

40代の「プチ起業」「ゆる副業」について語ろう|2019年2月の座談会

40代の「プチ起業」「ゆる副業」
について語ろう|2019年2月の座談会

東京で、強く、美しく、賢く働く40代のためのメディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」。メンバー3人による座談会、今回のテーマは、気になる「プチ起業」「ゆる副業」。
話題の副業を始めたいけど、どこから手をつけたらいいの?という方は必見です!

【左】プロデューサー 守山菜穂子 >twitter 
【中】編集長 池田美樹 >twitter
【右】ディレクター 及川恵利 >twitter

 

ちょっと始めてみる、気軽なワクワク感。
「ゆる副業」がブームに!

美樹:大学院の修士論文を提出し終えて、いよいよ修了が見えてきました。

恵利:おめでとうございまーす!

菜穂子:おめでとうございます! すごいな……!!

美樹:それで、私はもう次の進路のことが気になってきていて。「働く」ことに関して改めて考えている現在です。菜穂子さんから先日、おもしろい話を聞いたので、今日はそれについて詳しく話したいのですよ。

菜穂子:40代・50代の「起業」や「副業」の話ですね。まず現在、多くの企業が、副業を推進しているという、新しい波が来ています。これ、今までの「会社に属せよ!」っていう日本社会からすると、すごく新しくないですか!? 

美樹:ほんとにそうだよね。

菜穂子:国や政府も推進している、つまり国策になっているということで、上場企業でも「副業OK」「推進しています」というところが増えています。そして実際に「副業を始めたい!」や「副業をすでに始めてます」っていう人の話もたくさん聞くんです。ちなみに、皆さんの周りには 副業してる人はいますか?

美樹:言わないけど実はやってるんだろうな、と感じる人はいますね。「私、副業やってます!」って堂々と言っている人は多くはないかな。

恵利:私の周りはいますね。私の勤め先はメディア企業なのですが、その取材先でよくお会いします。若い方で、副業を率先してやっているような方が多いですね。

菜穂子:ふむふむ。それでね、最近、人から「プチ起業」「ゆる起業」という言葉を聞いたんだけど。おもしろい言葉だな〜と思って。

美樹:「ゆる起業」って、いい言葉だね!

菜穂子:いい言葉だよね。すごく柔らかい。新しく何かを「ちょっと始めてみる」ワクワク感。そして、それがただの趣味じゃなくて、ゆるいけど「起業」になっているのが良いなあって思うんです。なんか、とっても気楽じゃないですか……!

美樹:「私にもできそう」っていう雰囲気が感じられますよね。

菜穂子:そう。あとは、会社に対する罪悪感が少ない。「起業しました!」「副業始めました(キリッ)!」とか言うと、「え? え? 会社の仕事は、どうなってるの?」なんて思われてしまう空気が、日本にはまだあります。世代によっては、眉をひそめる人さえいるかも。でも「いやぁ、ゆる起業なんで~。てへ♪」という表現ができると、ハードルが低くなりますよね。

美樹:確かに!

菜穂子:私は基本的には、副業の推進派です。例えば、本業は会社員なんだけど、副業で知り合いのスタートアップ企業を手伝うとか、NPOなど社会貢献している団体を支援するとか。いいですよ。社会の役にすぐ立てる。

他には、スポーツやアート、子育てなど、自分が本当に好きなジャンルに関する副業をする、団体のお手伝いをするのも、人生にとてもプラスになると思ってます。

恵利:確かに、それならできそう。

菜穂子:これは私の実体験なのですが、2013年、会社員の時にNPOでボランティアを始めたんですよ。会社員の名刺と、ボランティアの名刺、つまり「2枚目の名刺」を持った。外で初めて2枚目の名刺を出した時は不慣れで、ドキドキしたなあ。でも、そこから確実に何かが動き始めました。今は、会社員・兼・NPOスタッフが世の中にたくさんいるのを知っています。会社員の自分が膠着(こうちゃく)していると感じたら、まずはボランティアという動き方もあります。これで少額でもフィーをいただいたら「ゆる起業」だよね。

副業とか「ゆる起業」って、何かの新しいジャンルを開拓するということ。「ゆる起業」とはいえ、一応「そのジャンルに携わる人」になる訳です。いきなり新しい人脈ができたり、新しい場所に通いつめることになる。結果、新しい自分を発見することになり、人生が変わったり、動いたり、大きく広がりますよ。

美樹:確かになあ。「何について、ゆる起業しようかな?」って考えるだけでも、すごくよさそう。「自分は本当は何をやりたいのか」っていうことを突き詰めるきっかけになりそうですね。

恵利:本当にそうですね。考える時間を持つだけでもいい。

菜穂子:起業のやり方を教えてくれる学校や、セミナーもいっぱいあるし。私のパーソナルブランディング講座に来ている人で、「本業は社員なんですけど、もう一つ副業をやりたいので、パーソナルブランディングを考えに来ました」という方も、たくさんいますね。自分の顔や名前の出し方、ブログやホームページの作り方など、セミナーで考えて、喜んで帰ってくれます。

美樹:社会全体が、副業を後押ししているような空気感がありますよね。

菜穂子:うん。だから、もし副業を始めることを思い悩んでいる人がいたら、臆することなくやってもらいたいと思います。気軽に一歩を踏み出してほしい。そういう人が増えると、社会が豊かになりそうで、いいなと思ってます。

 

 

会社員のまま、名前も出さずに
ちょこっとお金を稼ぐこともできる

美樹:私は今まで30年近く出版社に勤めてきたのですが、2年前、大学院に入学したのちに、会社を退職しました。3月までは大学院生です。

最初は「2年経って大学院を修了したら、またどこか、次の会社に入らなきゃ!」と思ってたんですよ。長らく会社にいたから、反射的にというか、当然のように。それで大学院生活も折り返しに近づいた頃、求人サイトで、気になる企業の求人を見てみたたのね。でも……なんだか、どの求人ページも「若い人を求めてるな」っていうニュアンスが、ありありと感じられてね。

菜穂子:法律上、ほんとは年齢で求人を区切っちゃダメなんですけどね。

美樹:ダメだから明記はされていないんだけど……。例えば、とあるメディアの求人を見たら、そこは「編集長候補については、35歳まで」って書いてあって。「長期間にわたってやってほしいから」とエクスキューズしてあるわけ。まあ、やっぱり企業さんの本音は「35歳ぐらいまでの人」に応募してもらいたいんだな、と。

恵利:「編集長35歳まで」は、お給料の問題かもね。40代、50代には、高い年俸を払わなきゃいけないでしょ。

菜穂子:確かに。

美樹:それで、ふと我に返った。「あれ? 私、会社員をやってる時も、ちょこちょこ他の仕事もしてたし、大学院が終わったからって会社員に戻る必要もないのかも?」って。

菜穂子:そういえば美樹さんは、会社員時代も副業してましたよね。

美樹:そう。外の媒体に原稿を書いたり、テレビのレギュラーMCをやっていたこともありました。テレビは深夜の番組だったから、副業というよりも、会社の出勤には全く影響のない範囲でしたね。就業規則には「副業OK」とも「不可」とも、特に書いてなかったんですよ。だから会社の総務にちゃんと届けを出しつつ、こまごまとやってたんです。

菜穂子:届けを出せばやってよかったんだ。私が前に勤めていた出版社は、副業NGで、明確に就業規則に書いてあった。同じ業種でもいろいろ違うんですね。

恵利:外で活動する時の肩書は、どうしていたの? 個人名?

美樹:肩書は個人名のみ。会社名は出していませんでした。それで実は、会社を辞めて大学院生になった間も、ちょこちょこと仕事をしてたんですよ。原稿を書くとか、人前で喋るとか、何かのやり方を教えるとか。

それで改めて、「なんだ、このまま、これを続ければいいんじゃん!」 って気づいたわけです。今ちょこちょことやっている仕事を、徐々に増やして行く。「あの人は何をやってるの?」って思われても、「自分」という芯で、全部の仕事がつながっているから……肩書は「池田美樹」でいいじゃん、と思ったわけ!

恵利・菜穂子:カッコいい~!!

美樹:それで、この働き方を、さっき菜穂子さんが言ってた「ゆる起業」「プチ起業」という言葉に当てはめると、すごくしっくりくる。自分が定まった気がすると思いました。いい言葉を聞いたな。

菜穂子:会社員の時にすでに「ゆる起業」「プチ起業」の積み重ねをやってたってことですね。

美樹:そうそう。意識はしてなかったけれど。でも今から「株式会社○○」を作ろうとまでは、全く思っていないです。

菜穂子:会社員のまま、名前も出さずに、ちょこっとお金を稼ぐことができる世の中になって来てますよね。例えば「ビザスク」っていうサービス。何かを相談したい人が質問を書き込んで、登録されている専門家が答えるという、相談マッチングサービスなんです。うまく回答できると、時間あたり数万円が、謝礼としてもらえる。

会社員の人は、匿名でも相談を受けたりできるんです。「会社員だけど、ちょこっと、自分の知識や人脈を生かして仕事をもらう」ということができる。これってまさに「プチ副業」「ゆる起業」ですよね。「会社の給料と別のギャラをもらう」ということ。

他にも、自分の知見を外の団体で話すとか、休みの日に技術を教えに行って謝礼をもらうとか。一生懸命、ある程度の時間を会社で働いている人なら、必ず何かできます。「起業!」と大げさに構えなくてもいいんです。

美樹:確かに。あんまり悩まずにやってみるのがいいかもしれないです。ちなみに、「ビザスク」さんからは、私にもたまに依頼がきますよ。「ビザスク」は、私と同郷である熊本の、素敵な女性が起業して作ったサービスなんです。「熊本弁ネイティブの会」の仲間。

菜穂子:そうなんだ! 私は本業がコンサルなので、本気で使ってますけど、案件が結構あるんですよ。昨年は「ビザスク」からの仕事をたくさん受けました。

あとは「メルカリ」で趣味のグッズを売るとか、「BASE」を使って自分がセレクトしたものを売る、ブログで書評を書いてAmazonや楽天のアフィリエイトを貼る、有料のブログを書くなども、立派な副業です。これね、簡単そうに見えて、どれも、ぼんやりしていては売れないんですよ。まあまあそれなりの、頭と手数を使います。要は自分の周りに、「会社からのお給料」以外の収入を作ろうということですね。

 

「早期退職」「定年」の先の
セカンドキャリアが見えてきた!

美樹:いま会社員の恵利さんは、リアルに「副業」をどう思ってる?

恵利:最近、私の周りで50代で早期退職をされた方がいて……。その方はもう会社に属していないし、働いてもいない。近い年齢の方がそういう選択をしたことに、ドキドキします。人生の選択を重ねると「どう生きるのか」ということになりますね。

美樹:「早期退職」とか、「定年」という言葉も見えてくる世代ですよね。

恵利:定年が見えて来た50代は、ただ会社に属するだけじゃなく、自分がこれまでにやってきたことを強みとして、活かしつつ、何か別のサービスに加わり始めるのが良いと思いますね。先ほど話していたように、ちょっとずつ、いろんな仕事を始める。そういうマッチングサービスなども出て来るといいですよね。

菜穂子:確かに、40代・50代向けの、セカンドキャリア向けたマッチングサービスって、ないですよね? あるのかな?

美樹:ないよね……!

恵利:ないと思うの。

菜穂子:定年退職した後の「シニア世代」に向けた人材紹介はありますけどね。「シニア」でもないし、「35歳以下」でもない人は、どうしたらいいんだって。40代、50代が一番余っちゃう。

恵利:さっきの「ビザスク」みたいに、キャリアを登録するプラットフォームサービスはある。でも、「そこまでのプロフェッショナルじゃない」「そこまでの肩書がない」まま、長く会社員をやってきた人たちの「スキル」も、世の中にはある訳で。そのマッチングのニーズ、需要と供給があるんじゃないかなと。

美樹:確かに。

恵利:例えば今、こんなビジネスが成功しているらしいんです。水商売を長くやっていた、クラブ勤めの女性たちが、ある時に「夜の世界じゃなく、昼の普通の企業に勤めたい」って思ったとき。わかりやすい学歴がなかったり、水商売の仕事しか知らないことが多いから、普通の転職活動ではなかなか難しい。

でも彼女たちは「接客のプロ」じゃないですか。話術もあるし、人間関係に関する感覚もいい。だから、その知識と経験を生かしてもらって、秘書とか、管理部門でのニーズがすごくあるらしいの。それを専門に斡旋(あっせん)する会社がある。

菜穂子:それは良いですね〜! 会社で気配りできそうだし、オフィスを明るく盛り上げてくれそう。エクセル、パワポなんかできなくてもいいよ。社長はそういう人が欲しいですよ(笑)。

恵利: あとはスポーツをやってた人のセカンドキャリアを考えるサービスも、増えていますよね。それと同じように、40代・50代の「普通の女性」たちのセカンドキャリアを作るサービスも、需要があるんじゃないかと思ってます。

美樹:ほんとそうよね!

菜穂子:例えば私だったら「会社で長く経理をやってたベテランの女性に、弊社の経理を、週1日だけ手伝って欲しい」とか思いますね。「大手のシステム部門にいた人に、困った時だけパソコンの相談できるとありがたい」とか。専門のコンサルを呼ぶほどじゃないけど、自社のスタッフでできないことが、たくさんある。中小企業の社長さんなんて、みんなそう思っているんじゃないかなあ。

恵利:そこに至るには、会社員である私たちの意識も変えなきゃいけなくて。「会社に所属したほうが安心」っていう気持ちは、もちろんあるけど、そろそろ、その足枷(あしかせ)を取っても良いと思いました。

 

会社員の立場を120%利用して
経験を積むのもアリ

美樹:私、以前、女性向けの「転職フェア」に講演で登壇したことがあって。その時、転職イベントなのに「やめなくてもいいよ」って話したんです。

恵利:えっ、どういうこと?

美樹:「あなたは、今の職場で、もっと学べることがあるかもしれないよ? 本当にもうないの?」と、伝えたかったの。会社にいる人は、その立場を120%利用して、さらにスキルアップしたらいいと思う。転職、独立は「それから考えてもいいよ」って思うんだ。

菜穂子:私も16年間、会社員だったから、よくわかる。会社員のメリットもいっぱいあると思います。異動して新しいジャンルを学ぶもよし。社長秘書になって、経営者の考えを知るもよし。経理部でビジネスにおけるお金の流れを学ぶもよし。人事部でキャリアコンサルタントの資格を取っている人もたくさんいる。

恵利:そう聞くと、色々あるね。

菜穂子:まだまだあるよ。転勤して、新しい土地で働くのも面白そう。会社の資料室には蔵書があるだろうし、企業研修を受けることもできる。社内サークルで仲間を作ったり、遊ぶこともできますよね。会社員でもできることは、いくらでもあるんですよ〜!

美樹:あと、「会社の名刺だと、人に会いやすい」というのもあるよね。

菜穂子:ありますね〜。セミナーや勉強会など行けば、名刺交換もしやすい。

恵利:私もまさに、これから5年は、今の仕事をもっと深掘りしたいと思っているんです。仕事にさらに本腰を入れたい。ただ、人と会うことがかなり多い職種なので、そこから何か、次に繋がることを見つけたいとも思っています。

美樹:会社は副業OKなんでしたっけ?

恵利:基本NG、でも申請すれば大丈夫。

菜穂子:あ、2018年から始めたこの「Beautiful 40’s」は? このウェブサイト、まだ利益が出ておらず、現状は持ち出しなので(笑)、今の所「趣味」だね。でも5年の間に、何かお金が集まるようになったら「副業」申請。そしていつかはこれで独立!も、ありですよね?

恵利:ありです!

菜穂子:そういう「遊び」と「本気」の間みたいところから始めるの、いいよね。

恵利:そう! だから「起業した人がえらい」とか、「会社にいる人がぬるい」とかいうことはなくて。今、自分ができることを精一杯やって、それをベースに次のステップに進むのがいいんだと思うの。

菜穂子:「プチ副業」や「ゆる起業」をするもよし、会社員を楽しみ尽くすもよし。美樹さんみたいに思い切って、大学で学び直すのもよし。セカンドキャリアの選択肢が広がったってことだよね。

恵利:そのとおり! すばらしい世界になったと思いますね。人生90年を、楽しみましょう。

 


関連記事