2018年03月01日

40代って、ビューティフル?|2018年3月の座談会

東京で、強く、美しく、賢く働く40代女性のための新メディア「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」。立ち上げメンバーの3人が、美しい40代の「あり方」についてざっくばらんに語り合う新連載がスタート! 初回は、2018年3月の座談会をお送りします。

文/編集部

【写真左】ディレクター 及川恵利 >twitter
【中央】編集長 池田美樹 >twitter
【右】プロデューサー 守山菜穂子 >twitter

 

変化して、削ぎ落として……。
40代は大きな節目の世代!

菜穂子: 「Beautiful 40’s(ビューティフルフォーティーズ)」の3人で初めての座談会です。今日は初回なので、「みんな、40代をどういう風に捉えていますか?」という話をしようと思います。自分なりの世代論という感じですね。ではまず、編集長から。

美樹:私の40代は、すごく変化の年だったなあ。私はもう40代の10年間を過ごし終えてしまったので、今思うと、ですが。「40代の間に、本当にいろいろ変化したなあ……」って思いますね。

菜穂子:例えば?

美樹:身体もそうだし、考え方も。今まで生きてきて、一番、変化の大きい10年間だったなあと思う。「変化」は前向きなものだけじゃなくて、苦しいことも、とても多かったので……。そういう知恵をみんなで分け合えるといいのにな、と思ってましたね。私は一人っ子なので、身近に、自分より先を行く人がいなかった。

菜穂子:そっか! 確かに姉とか従姉妹(いとこ)がいると、わかる部分はあるかもしれない。

美樹:そう。だから、みんなと知恵を分け合えるといいなあって。40代の変化に対する情報を求めてる人がいるかと思って、このメディア「Beautiful 40’s」を始めたような訳なんです。恵利さんは、40代はどうです?

恵利:ひとことで言っちゃうと「いろんなものを捨ててきた時代」です(キッパリ)!

菜穂子:おぉー、すごい!

美樹:おぉー!

恵利:今から振り返ると「削ぎ落とした」っていうポジティブな言い方になりますけれど、当時は「捨てざるを得なかった」かな。40代ってひと口に言っても、前半・後半とで違うような気がしています。

菜穂子:何を捨ててきたんですか? 差し支えない範囲で(笑)

恵利:自分が欲しかったこと、いろんなもの。子供が欲しかったというのもあるし、婚活を頑張ってみたけれど…、とか。そんな時代を経て、今は、全く欲しいと思わなくなった。これ、諦めでもなんでもなくて「削ぎ落として、今の自分がある」っていう風に思えるようになりましたね。

菜穂子:へぇ。すごく素敵ですね。

美樹:面白いですねえ。そう言われれば私も、そうだったような気もするな。菜穂子さん、40代の真っただ中ですけど、どうですか?

菜穂子:私、今年の4月で43歳になるんですけど。私は、精神的にも肉体的にも「どんどん自分が筋肉質になってる」っていう感じ。

恵利:へぇ〜。

菜穂子「削ぎ落としてる」と近いのかもしれないですね。ぶれがなくなって、どうでもいい悩みとか結構、減ってきて。自分が好きなものも良くわかって来たから、あれこれ試して失敗するってことも、もうあまりないし。パッと好きなものが選べたりとか、そういう感じで、どんどんラクになってますね、年々。筋肉質になった。

恵利:強くなるのかもしれない。

菜穂子:うん、そうなんだけど、「肩肘を張った強さ」じゃなくて「しなやかな強さ」。やっぱり「筋肉質」っていう言葉のイメージが近いんですけど。ぶれなくなって来た。

恵利:「コア」ね。コアマッスル (笑)。

美樹:コアマッスルが鍛えられてる感じ。

菜穂子:そうですね(笑)。身体だけじゃなくて、精神的にも。

 

次世代を育て、育むことで 
自分を認めることができる

美樹:皆さん、精神学者・心理学者の「ユング」という人の名前を聴いたことがあると思うんだけど、彼がね、40歳を、「人生の正午(しょうご)」と言ったんですよ。なぜかというと、今までは「午前中の光」が当たっているんだけど、40歳を超えると「逆側」から光が当たると。

菜穂子:なるほどね!

美樹:40代は人生の考え時、ちょうど変化するときだというのを、100年近く前に言ってますね。

菜穂子:今、日本人の平均寿命って85歳ぐらいで、女性だともうちょっと上かもしれないけど、40代半ばは、ちょうど折り返し地点ということですよね。

美樹:そうですね。今は「人生100年時代」とも言われているので。

菜穂子:まだ午前中かもしれない(笑)

美樹:「人生の正午を迎えた」というのを感じておくのは、すごく大切なことのような気がしてる。実は20世紀半ばまで「人間は一度、大人になったら、もう変化しない」って思われていたんですよ。でもそれを「人間は生涯(しょうがい)、発達していくものなんだ」っていう考え「生涯発達理論」が1950年代ぐらいから出てきて、どんどんそれが主流になってきた。

今は、40代がまさに、ユングの言う通り、「人生の問い直しが起こる時期」だと言われてますね。みんな「ジェネラティビティ(generativity)」っていう単語は聞いたことがある?

菜穂子:初めて聞きました。

恵利:うん。初めて。

美樹:「次世代を育て、育んでいく力」みたいな意味なんです。日本語でぴったり当たる言葉がないと言われてるんですけど。

菜穂子:ジェネレーション(generation=世代)から来ている言葉かな。

美樹:そう。でもよく誤解されるのは、ジェネラティビティ=「子供を産み育てること」と思われるんですけど、そうではない。次世代を育てること、次世代に何かを受け継いでいく行為は、子どもがいなくてもできる。今、これは盛んに言われていますね。

菜穂子:「次世代を育てると自分が成長できる」っていう意味ですか?

美樹:40代になると、自然にそういう時期に入ってくるよ、という意味ですね。

菜穂子:ああ、なるほど。

美樹:それをしっかり自覚しておくと、自分のアイデンティティ、自我同一性(じがどういつせい)が揺らがないよと。

菜穂子:じゃあ「40代だし、そろそろ自分のことばかりじゃなくて、下の世代を育てることに、力とか時間とかお金を使おう」って感じるのは良いことなんだ。今日のメンバーは3人とも、子どもがいないので、自分にとっての「次世代」を考えることからスタートですね。

美樹:次世代を育てると、自分が幸せになれる。揺らがなくなるんです。逆に、ちょっと怖いことを言うと、この時期に次世代を育てる感覚を自分の中に持てないと、その後ずーっと、自我がぐだぐだしたままになると言われている。

私自身も、子どもは持たなかったけれど、次世代を育てるとか、自分のやっている研究で後の世代の人達に役に立つとか、そういう風な人生を過ごしていけるといいなあ、って思っているんです。

恵利:私……苦手なんですよ、人を育てることが。どっちかというと、前しか見ていなくて。「仲間と一緒に何かをやる」というのは好きなんですけど、「次世代を育てる」っていう感覚は、まさに身につけられてない代表格のような気がする。

菜穂子:でも、恵利さん会社員だから、下に若手がいっぱいいませんか?

恵利:いますが、そういうことは他の方が主体でやってくださっていて。

菜穂子:そうか。まあ、「育てる」って自分で意識しなくても、恵利さんの背中を見て、勝手に若手が育っているかもしれない。

恵利:それはね、よく言われる。

美樹:でしょ。育てていると思いますよ。

恵利:でも、先を走りすぎてて見えないとか、そっぽ向いていたりは問題だと自覚はしているんです。どうしたらいいものやら、っていうのが正直なところ。

美樹:なるほど、なるほど。

 

育てることは知識ではなく
自分の受け止め力が問われる

菜穂子:「勝手に背中を見て覚えてね」と「育てている」意識の違いは、本人が若手のことを「受け止めているかどうか」なんじゃないかな。自分から受け止めに行くかどうか。あやふやな存在である、若い衆を受け止めるって、こっちの「胆力(たんりょく)」が必要じゃないですか(笑)。「いいよ、受け止めるよ、何があっても」って。自分側の「覚悟」がものを言う気がする。

私はちょうど40歳になる直前、39歳ぐらいから、セミナーや研修講師の道に転職したんです。それまでも会社の後輩とか、新入社員に業務を教えたりはあったけど、本格的に「教える仕事」についちゃった。それで、例えばセミナーの受講生が、すごく答えにくい質問とか、全く理解度がない状態からの、はちゃめちゃな質問とか、してくるわけですよ(笑)。それを全て受け止めるのは、自分の側の「受け止め力」がすごい必要なんだなって。ただ自分が知っているだけだと、教えられない。

美樹:うんうん、わかる。

菜穂子:教えるのって、うっかり「知識」で教えそうになるんだけど、そうじゃなくて。「胆力(たんりょく)」「受け止め力」がすごい重要なんだなって、すごく自覚しました。今はそういう気持ちで仕事してますね。人を育てる仕事をしています。

美樹:菜穂子さんは教える仕事だから、「次世代を育てる」みたいなことを端的に意識しやすいかもしれませんね。

菜穂子:こちらの「受け止め力」がすごく必要なんだな……と思った時期に、私も「もう人生で子どもが持てないのかもしれないな」って感じていて。そのことと、「教える仕事は、受け止め力がすごく必要だな」という話が、自分の中で見事にリンクした。

だから「私は子どもは持てなかったけど、<いろんな子どもたち>に、教えて、教えられて生きていくんだ!」って、自然に気持ちの切り替えができました。セミナーや研修の受講者さんのお陰で、子どもが持てないことへの無念を、うまく断ち切れたというか。

いや、「断ち切った」みたいな強い感じではないな。自然にその思いから「卒業」できたっていう感じ。まさに美樹さんがおっしゃる「ジェネラティビティ」を実感していますね。

美樹:私は、恵利さんと同じで、昨年50歳になるまでは、育てることをうまく捉えられていなかったの。

恵利:そんなに最近まで?

美樹:うん。私には、きっかけが2つあって。1つは、50歳から大学院に行って、「つい先日、大学を卒業してきました」っていうフレッシュな若者が周りにたくさんいること。

菜穂子:年齢が半分(笑)

美樹:ほんと。自分に子どもがいたら、もうあの年令になってるな〜とか思います。

恵利:そうね〜。

美樹:その若い子たちと対等に研究しているんだけれど、やっぱり若さゆえの未熟な部分ってあるじゃないですか。大学院生って、まだ社会にも出ていないんだから。そこで自然に「私はこの子たちに、何かを教えてあげなきゃいけない」っていう気持ちになる。

私、今まで、20代みたいな若い人たちと触れ合う機会がなかったの。会社でも割と先輩方とお仕事をしていたので、院に行って「なるほど、こういう風に自然に下の世代を感じるものなんだな」と思いました。

 

まず、育てられるものを探すことから 
自分を深めてゆく

菜穂子:なるほどねえ。いろんな育て方があるんだな。

美樹:もうひとつは、「Beautiful 40’s」の連載でも書いているんですけれど……猫。

恵利:猫ね!「ルル様」ね。

菜穂子:猫でもいいんだ! 育てる対象は。

美樹:いいのよ。あのね、猫って、何にもできないんですよ。

恵利:(笑)

菜穂子:「親バカ」にしか聞こえません(笑)

美樹:奴は、何にもできないの。自分でご飯も作れない、トイレの始末もできない、何もできないじゃないですか。私が全部やってあげなきゃいけない。仕事していると、こちらの都合などお構いなしにパソコンに飛び乗って来るし。それと向き合って対峙して「イライラしない自分」は、子育てもこんな感じなのかなあ、って少し、思う時があります。

私はその2つのきっかけがあり、「ジェネラティビティ」という言葉を最近、知って「なるほど、こういうことだったか」って腑に落ちた。

菜穂子:恵利さんも、まずは小さく意識してみたらいいのかも。「教えるって、育てるって、どういうことだろう」って。

恵利:たぶん、これまでは「学ぼう」とする意識のほうが強かったんだと思います。

菜穂子:そうでしょうね。そうだと思う。

美樹:それもすごく、素敵なことだと思う!

菜穂子:いつまでも学んでいたいですよね。

美樹:「育てる」は人や猫に限らなくてもいいかも。自分の仕事を後世に残して行くことかもしれないし。例えば、恵利さんはね、身体のことにすごく気を使ってらっしゃるけれども、私、全然そういう気持ちがなかったので。いつもお話を聴くたびに勉強になってるし、「へぇ、いいなあ」「身体を鍛えるって、意外といいもんだなあ」って思ったりしてる。確実に、人に何かの影響を与えてくださってるから。

菜穂子:「育てる」対象は、年下じゃなくてもいいんですよね。

美樹:いいんです、いいんです。

菜穂子:先輩の美樹さんが、身体にすごい気を使う人になるように、恵利さんが育てればいいんじゃない。そういうのもありだよね。

美樹:そうそう。ありあり。

菜穂子:さっき、花屋さんで、花が枯れちゃうとかいう話をしてて。花を育てるのもアリかな?

美樹:花を育てるもOK!

恵利:やばい! 私、花すらも育てられない(笑)

美樹:私も、花、育てられないよ。鉢植えが家に来ると、全部、見事に枯れちゃうっていう。魔の家ですからね、うちは。

菜穂子:それ、エアコン当たりすぎですよ。

恵利:私は1回、サボテンを枯らした時にねえ、もうやめようと思った。

美樹:それは確かにちょっと(笑)

菜穂子:今年は「育てる」ことをやってみる、という目標。

美樹:「Beautiful 40’s」を育てていく、というのは?

恵利:いいですね。

菜穂子:うまい。なんてうまいまとめ方。

美樹:まだまだ、これから仲間も増えるしね。いろんな人が参加してくれる。

恵利:ね! それは、すごい楽しみ。

美樹:いろんな立場の人がいると思うので、ぜひこの「Beautiful 40’s」という媒体を使って、みんながお互いに育て合えるようになるといいですね。

恵利:素敵!

菜穂子:完全に綺麗に締めましたね〜。さすがです。

美樹:はい、ということで、3月の座談会を終わります! また来月。

 

写真/池田美樹
テキスト起こし/ブラインドライターズ

 

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