2018年02月05日

ブランドコンサルタント・守山菜穂子|40’sお仕事図鑑

文/及川恵利(編集部)

都会で美しく働く40代の 「スタイル」を探る連載「40’sお仕事図鑑」。第3回目は、本メディアではプロデューサーを務める、守山菜穂子。インタビュアーは、本メディアディレクターの及川恵利が務めます。

Q.  菜穂子さんのお仕事は何ですか?

菜穂子 株式会社ミント・ブランディングの代表、ブランドコンサルタントです。企業の商品・サービスのブランディングと、個人向けのパーソナルブランディング、2方向の仕事をしています。企業向けの場合は、ボトルネックとなっている課題の抽出、改善方法のレクチャーや、宣伝・広報まわりのアドバイスを行っています。個人向けの場合、顧客は主にクリエイターの方ですね。作家、デザイナー、ライター、ミュージシャン、ダンサーなど、自分の顔と名前でビジネスしている方々のブランディング支援です。最近では士業の方、例えば弁護士さんや、税理士さんも多いです。議員さんもいらっしゃいます。

Q. そのお仕事は、いつからはじめたんでしょうか?

菜穂子 2014年2月3日に開業を登録したので、ちょうど5年目になります。

Q. おめでとうございます!

 


写真/2015年2月、セミナー講師の仕事を始めたばかりの頃。
ロングヘアにスカーフで、まだコンサバ感が残るスタイル。

 

Q.  菜穂子さんはもともと、大手の出版社に長くいらしたわけですが、起業した当初、「ブランドコンサルタント」というお仕事は、メジャーでしたか。

菜穂子 全然。今でも同業者は少ないですね。「ブランディングで独立する」といったら、前職の出版社の仲間や先輩には「そんなんで、メシ食っていけるのか」「そもそもブランディングってなに?」と言われ、だいぶ心配されました。2013年頃ですね。当時「ブランディング」は、広告・マーケティング業界の専門用語でした。でも、その広告業界の仲間からは「ブランディングは、これからいろんな会社に必用とされるから、アリだと思うよ」と言っていただきました。まして一般の方には言葉として定着していなかったと思います。

Q. そのような、知られていない職業につこうと思ったきっかけは何だったのでしょうか? 

菜穂子 漠然とですが、いつかは独立したいと思っていました。独立を決めたきっかけは、複層的に色々あるのですが、一番大きかったのは東日本大震災です。あの時に、私自身が、ファッション雑誌やエンタメの無力さを感じてしまいました。「もっと直接的に人の役にたつことってなんだろうか」と考え込んでしまったんです。

同時に、出版というビジネスは「エコ」じゃないのでは、とも感じてしまいました。大部数の印刷とか、ガソリンをたくさん使って全国に配本するとか。印刷・配本は100年続く素晴らしいビジネスモデルではありますが、現代に通用する、もっとコンパクトで、サステナブルなビジネスモデルってなんだろうって震災を機にすごく考えましたね。一方で、前職の小学館は、業界を代表する会社で、出版業界の先頭に立って、そのビジネスモデルを支える立場でした。次第に、個人的に、自分の考えが合わなくなっていったことを感じ、独立を決意しました。すごく好きな会社だったので悩みましたけどね。

その後、「一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会」で、ブランディングの技術を学び、トレーナー資格を取得して、独立起業しました。

Q.  この5年で、ブランドコンサルティングをとりまく環境は変わりましたか?

菜穂子 いろんな人が「ブランディング」という言葉を知るようになりました。今は、居酒屋の店長さんに名刺を渡しても、話が通じる。学生でもわかる。言葉が「みんなの中に落ちてきた」という感覚があります。ただ、これはあくまでも東京の話かもしれないですね。地方はまだまだこれから、1〜2年かけてさらに言葉が浸透していくと思います。

Q. ご自身にとって、この5年で一番のターニングポイントって何ですか?

菜穂子 「独立したこと自体」ですね。それまでは、先ほど言ったように、「仕組みが既にできあがっている大会社」にいましたから。「起業」って、お城から出て、まず自力で石をひとつ積み上げることから始めたような感覚です。みようみまねで1年目が過ぎ、その経験を生かして2年目を迎え…。1人で新規のビジネスモデルを作るって、こういうことなんだなと、とてもエキサイティングな毎日でした。

 


写真/現在は年間50日ほど、ブランディングに関する
セミナーや企業研修への登壇をしている。

 

Q. 今は、思った通りの展開ですか?

菜穂子 いえ、そもそも想像のレベルが低すぎました(笑)。立派なお城の中で「こんな感じだろうな〜」と想像していたことと、実際に自力で石を積み上げてみるとでは、全く違いました。法人を作る上での手続きとか、面倒なことも多かったですね。逆に、自分でも意外ないろんな仕事を頼まれるという、いい意味での意外性もありました。

Q. 人から頼まれる、頼られるということは、やりがいですよね。

菜穂子 会社員だった時は、やっぱり「会社の看板」で仕事が来ていた部分も大きかったと思うんですね。「小学館の守山さん」に仕事が来ていた。今は「ミント・ブランディングの守山さんに」と、本人に対して仕事が来る。仕事の来かたが全く違います。だから、今は、ひとつひとつの仕事が決まることが、震えるほど嬉しいですね。

Q. これからやってみたいことを教えてください。

菜穂子 今年、いくつか新しいプロジェクトが立ち上がる予定です。例えば、新しいジュエリーブランドのブランディング。それとこの、新メディア「Beautiful 40’s(ビューティフル・フォーティーズ)」の立ち上げですね。いままで有名メディアの担当を長くしてきたけれど、ゼロから自分のメディアを作るという経験は初めてで、本当に楽しみなんです。

今年は「投資の年」と決めていて。また石をひとつずつ積み上げる年ということですね。1年後はどうなっているか全くわかりませんが、それがエキサイティングだし、どうなっていたとしても過程を楽しみたいと思っています。


PROFILE

守山菜穂子(Naoko Moriyama)
1975年生まれ、千葉県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。(株)読売広告社を経て(株)小学館に転職。広告局でファッション誌、情報誌のメディア営業に携わる。2010年よりデジタル事業局で電子書籍の企画に携わる。2014年独立。2017年(株)ミント・ブランディング を設立し、代表取締役に就任。現在はにブランドコンサルタントとして、企業コンサル・企業研修や、個人クリエイターのブランディングを手がける。
>守山菜穂子 公式サイト  >twitter  >Facebook  >Instagram

 

冒頭写真/小池哲夫
文中写真/鈴木智哉(キリンニジイロ)、森永 卓(一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会)


2018年02月05日 Posted by naoko | カテゴリー: Business | タグ: , ,

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